【神村学園-中京大中京】六回表神村学園1死二塁、上川床が適時打を放つ=阪神甲子園球場で2024年8月15日、渡部直樹撮影

 第106回全国高校野球選手権大会は第9日の15日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で2回戦があり、昨夏4強の神村学園(鹿児島)が4―3で中京大中京(愛知)に競り勝ち、2年連続で3回戦に進んだ。

甲子園3季連続出場 冷静に狙い定め

 リードされたチームに勇気を与え、反撃の勢いをつけたのは「甲子園をよく知る選手」だった。

 神村学園の6番・上川床(かみかわとこ)勇希は、2点を追う六回1死二塁で打席が回ってきた。「第2のクリーンアップとして、まず1点をこじ開けよう」。気持ちを高めた。

 3球目、外角の変化球をとらえると、お手本のようなセンター返しで適時打になった。この一打で流れが変わり、チームはこの回計3得点で試合をひっくり返した。

 上川床は3季連続出場で、ベスト4に入った昨夏の甲子園は外野手、今春の選抜大会は投手として大舞台の土を踏んだ。どこでも活躍できるユーティリティープレーヤーだから、チームでも重宝されてきた。

 反撃の一打も、甲子園への慣れと万能性から生まれた。勝負の分岐点は1球前の2球目、外角寄りのボール球を空振りした後だった。「間違いなく、このまま外角攻めで勝負してくる」。冷静に投手の心理を読み、適時打につなげた。

 上川床は「甲子園の雰囲気や、各ポジションの選手の気持ちは誰よりも知っている」と語る。4番の正林輝大ら上川床以外にも3季連続出場の選手が多く、経験値の高さが神村学園の強みにもなっている。【林大樹】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。