(14日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 西日本短大付13―0菰野)

 三回、菰野はリードを5点に広げられ、なお2死三塁。ピンチで背番号11の出番がきた。

 2番手投手の奥野彼方選手(3年)がマウンドへ。三重大会の準々決勝以来となる登板は「楽しもう」。だが、緊張がほぐれず。最初の打者に四球を与えると、失策が続いて4点を追加された。

 四回以降は立ち直った。カットボールとカーブを軸に打たせて取る投球で六回まで無失点で切り抜け、試合を落ち着かせた。七回を終え、エースの栄田人逢選手(2年)に後を託した。

 大敗で夏が終わった。奥野選手は、涙する栄田選手に伝えた。「ありがとう」。チームは下級生主体で勝ち上がってきた。最後の最後に甲子園で3年生の意地を見せたつもりだ。

 「2年生たちを尊敬している。強くなると思うし、頑張ってほしい」と奥野選手。この負けを糧にして、後輩たちが飛躍するのを願っている。(辻健治)

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