点を取られる気がしなかった――。兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれている第106回全国高校野球選手権大会は第8日の14日、小松大谷（石川）が優勝候補の大阪桐蔭（大阪）を3―0で破った。8日の1回戦でも春の九州王者・明豊（大分）を破るなど、強豪を次々と連破したことで注目が集まっている。
小松大谷は今大会が3年ぶり3回目の出場。1回戦では、春季高校野球九州大会を制した明豊を8―4で降し、悲願の甲子園初勝利を挙げた。
14日の大阪桐蔭戦も、150キロ近い速球を投げ込む2投手を打線が攻略。投げては西川大智投手（3年）がわずか92球で5安打完封勝ちした。
SNS（ネット交流サービス）では下馬評を覆す小松大谷の完勝とともに、100球未満の完封勝ちの通称である「マダックス」が話題となった。
石川大会で日本航空や星陵を破る
ただ、小松大谷は地方大会でも厳しい戦いを勝ち抜いて着実に力をつけてきたチームで、この快進撃も偶然ではない。石川大会準決勝では、今春のセンバツに出場した日本航空石川に3―1で勝利。決勝も同じくセンバツ出場校で、昨年の神宮大会を制した名門の星稜に、5―0で6安打完封勝ちを収めている。
西野貴裕監督は「相手ではなく自分たちのやるべきことに目を向けていることが結果につながっている」とナインをたたえる。
選手たちはどう考えているのか。東野達主将（3年）は強豪の連破についても「自分たちがどこに当たろうと、やる野球は変わらないと常に言い続けている」と振り返り、平常心でプレーしていることが好結果につながっていると分析する。強打者がそろい夏の甲子園で零封負けしたことがない大阪桐蔭に対しても「五回ごろから点を取られる気がしなかった」と感じたという。
直前の第1試合でセンバツ優勝校の健大高崎（群馬）が敗れたことから「健大高崎さんが負けたように、自分たちにも（大阪桐蔭に勝つ）チャンスがあると思って試合に入っていけた」と話した。【野原寛史、矢野大輝】
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