阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開会中の全国高校野球選手権大会に、特別な思いを持って球場警備にあたる元野球部員の警察官がいる。

 兵庫県警甲子園署の地域課に所属する佐々木大輔巡査(25)。母校の鳥取城北高校が甲子園出場を果たし、12日の第3試合に登場した。佐々木巡査はアルプススタンドで、試合の雑踏警備を担当した。

 大阪府出身で、中学時代の恩師の出身校だった同校に進学した。外野手として甲子園を目指したが、3年の春に肩を負傷。2017年、最後の夏の鳥取大会は試合に出られなかった。チームは2回戦で、その後に鳥取大会を制した米子松蔭に初戦負けした。

 大学卒業後、幼い頃からの夢だった警察官になるため兵庫県警を受験し、初任地で甲子園署に配属された。希望して行ける場所ではない。「甲子園がある」。配属先を聞いて真っ先に頭に浮かんだのは、憧れの場所だった。

 鳥取城北はこの日、明徳義塾(高知)に0―7で敗れた。

 鳥取城北野球部の3年間で学んだことは「凡事徹底」。法律を守り、市民の当たり前の毎日を維持する警察官の仕事にも通じるという。

 「後輩たちにパワーをもらった。胸をはって鳥取に戻ってほしい」とねぎらった。(宮坂奈津)

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