ブレイキン女子予選ラウンド、演技する福島あゆみ=コンコルド広場で2024年8月9日、平川義之撮影

 パリ・オリンピックは9日、コンコルド広場で新競技のブレイキン女子があり、41歳の福島あゆみ選手=ダンサー名・AYUMI=が出場した。準々決勝で敗退したが、独創的なダンスで会場を魅了した。

 ダンスを通じて個性を表現するブレイキン。福島選手は細かく刻む多彩な動きが特徴で、足を前に伸ばしながら手で雑巾をかけるような独特の仕草を「得意技」とする。せかせかしているように見えることから、自身のダンスを「お掃除スタイル」と呼ぶ。

 この日、予選突破後に臨んだ準々決勝では、18歳のオランダ代表選手と対戦した。流れる音楽に即興で技を詰め込んで持ち味を発揮し、第1ラウンドを先取。第2、3ラウンドで敗れ、準決勝には進めなかったが、試合後は相手と抱き合って健闘をたたえた。

 2021年の世界選手権では優勝した実力者。約20年前にブレイキンを始めたきっかけは「ダイエットのため」だったが、努力を重ね、気づけばトップクラスのダンサーになっていた。

 五輪はあくまでも「一つの大会」と捉え、普段と変わらない心境で臨めたという。「だめなところもあったけど、自分らしさは出せたかな」。爽やかに会場を後にした。【黒川晋史】

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