陸上女子1500メートル準決勝2組、11着で敗退した田中希実(中央)=フランス競技場で2024年8月8日、中川祐一撮影

 パリ・オリンピック第14日は8日、陸上女子1500メートル準決勝が行われ、2021年の東京五輪8位の田中希実選手(24)=ニューバランス=は3分59秒70で準決勝2組11位となり、2大会連続の決勝進出はならなかった。準決勝後の主な談話は以下の通り。

 <どんな気持ちでレースに臨んだか>

 予選から4分を切るようなレースになると思っていたので、そこに向かっていく気持ちだった。(お世話になった)多くの方の存在を思い出したおかげで、「自分だけの走りではなくて、皆の走りだ」ということを表現するために走ることができた。ただ、最後に出し切れたかというと、そこがやっぱり苦しい展開になってしまった。

 タイムの面でも順位でも予選は通れないものだったけど、本当に神様のいたずらと言いますか、(レース中に接触があったため救済されて準決勝に進み)もう1回機会を与えていただいた。決勝に挑むのをお見せできなかったのはすごく残念なんですけど、いつかもう1回(五輪の決勝に)立ってみせるという新たな気持ちを作れたレースだったかなと思います。

 <東京五輪での自己ベスト記録以来の3分59秒台>

 もう一度「4分を切ることが日本人にも可能なんだ」と、この場を借りてお見せすることができた。でも、ただ「日本人でも4分を切れる」とかではなく、今日のレースを見ても分かるように、4分を切るという問題ではなく、どの選手も「1秒でも早く前に」ということしか見ていない。タイムだけではなく、中身の詰まったレースが今日はあったと思う。そういったレースに、自分が最後の100メートルまで絡めるような姿を見せたいと思いました。ただ、そういった中で(4分を切る)タイムを出すことはできたのは、自分の中では大きな一歩だったかなと思います。

 <パリ五輪はどんな大会だったか>

 苦しい時間が思ったより長い大会になってしまった。自分のやってきたことを出すにしても、(予選敗退だった)5000メートルでできなかったので。でも、それは私にとって今回必要な時間、必要な試練だった。ただ苦しいだけではなく、理不尽な苦しみではなく、私に与えられるべくして与えられた、本当に幸せな時間だった。そういった時間を味わえたことがとてもうれしいです。

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