須崎優衣選手に声援を送る地元・松戸市の応援団=松戸市六高台で2024年8月8日午前4時24分、柴田智弘撮影

 パリ・オリンピックのレスリング女子50キロ級3位決定戦で、千葉県松戸市出身の須崎優衣選手(25)が無失点の完全勝利で銅メダルを獲得した。同市が開いたパブリックビューイング(PV)の会場では8日未明、地元の応援団が須崎選手の背中を押すべく、大声援を送った。

 まさかの1回戦の敗戦だったが、この日のメダルが懸かった戦いを見守ろうと、PV会場の同市六高台の六実市民センターには約200人の市民らが詰めかけた。試合開始が予定時間よりも2時間ほど遅れたが、盛り上がりは衰えることなく最高潮のまま。終始、優勢な試合運びに、スティックバルーンをたたく音が会場に響き渡った。レフェリーが須崎選手の腕を高く掲げると、ひときわ高い歓声が上がった。

3位決定戦に勝利し、涙を流す須崎優衣選手の姿を見守る松戸市の応援団=松戸市六高台で2024年8月8日午前4時27分、柴田智弘撮影

 須崎選手の小中学校の同級生、武藤雄士さん(25)は「あれが本来のスタイル。(他の日本人選手のメダルより)何倍もうれしい」と喜んだ。地元町会の応援団長、石井勇さん(66)は「勝利の瞬間は鳥肌が立った」と興奮した様子。本郷谷健次市長は「須崎選手の笑顔に涙が出てきた」と目頭を押さえた。

 一方、須崎選手が子供の頃に通った松戸ジュニアレスリングクラブの野間良秀監督(68)は自宅から観戦し、「1回戦の敗戦から立ち直るのは大変だったと思う。堂々と帰ってきて。次のためにもゆっくり休んで、クラブで子どもたちの練習でも見てやりながら、自分の原点に戻ってほしい」とねぎらった。【柴田智弘】

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