東京五輪で敗れ 悔し涙を流してから3年
「オリンピックの悔しさはオリンピックでしか返せない」
東京オリンピックの決勝で敗れ悔し涙を流してから3年、パリ大会で雪辱を果たすために文田選手は自問自答を繰り返しながらレスリングに向き合ってきました。
幼いころから投げ技を磨いてきた文田選手。
前回の東京大会の決勝では対策を練ってきたキューバの選手を相手に得意の形に持ち込むことができず敗れたことからいったんは投げ技を封印し、守りを固めるレスリングスタイルを模索してきました。
ところがその新たなスタイルで臨んだ去年9月の世界選手権の決勝で、キルギスのゾラマン・シャルシェンベコフ選手に投げ技で次々とポイントを奪われ敗退。
かつて自分が得意としていたスタイルで戦う相手との試合を終え「楽しいし、ずっとやっていたいと思えるような試合だった。もっと自分のレスリングに自信を持てるようにしないといけない」と、再び新たな戦い方を探りました。
そしてパリ大会まで1年を切った中、取り組み始めたのが“ハイブリッド”ともいえるスタイルです。もともと得意にしていた投げ技を軸に、その後、磨いてきた守備的な技術も盛り込むことにしました。
パリ大会前には「これまではどちらかに固執してしまっていたが、今の自分にすごく合っている。守るところは守るし、攻めるところは攻める、自分のすべてを出したい」と確かな自信を手にしていました。
そして「この3年の葛藤をマットで全部晴らす」とパリの舞台に臨み準決勝ではシャルシェンベコフ選手に雪辱を果たすと決勝も制しました。
敗戦のたびに自問自答を繰り返しながら成長を遂げた文田選手は3年分の思いをすべて出し切って雪辱を果たし、悲願の金メダルを手にしました。
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