パリ・オリンピックで決勝トーナメント出場をかけた熱戦が続くバレーボールの試合で気になった場面があった。監督の「立ち位置」だ。
日本の男子代表の試合中も、フィリップ・ブラン監督がコートのすぐ脇まで出てきて熱い指示を送る姿が見受けられる。ネット交流サービス(SNS)では「バレーの監督ってこんなコート付近まで出てきてたっけ?」「監督コートに近くないか?」などの投稿があった。バレーボールの監督はどこまで近づけるのか、ルールを調べてみた。
バレーボールの試合は通常、縦18メートル×横9メートルのコートで行われる。国際バレーボール連盟(FIVB)が出す、6人制バレーの競技規則には「試合を妨害したり遅延させたりしない限り」、自チームのベンチの前からコートまでの「フリーゾーンの範囲では、立ったままで、あるいは歩きながら指示ができる」とある。
では、どこまで近づけるのか。規則によると、センターラインから約3メートルにある、自チームのベンチ前のアタックラインの延長線より外側から「フリーゾーンの範囲」などの条件があるようだ。
なお、監督がコート際まで行けるようになったのは1999年に同連盟が「25点ラリーポイント制」を正式導入した後からだ。日本バレーボール協会に確認したところ、それまでは「ベンチに座っているか、(交代選手がアップをし、主にベンチ後方などに設けられる)ウオーム・アップ・エリア内に限り、コート内の競技者に指示を送ることができる」とのことだった。
日本の男子代表は、52年ぶりとなる金メダル獲得を目指している。白熱するゲームの傍ら、監督と選手のやり取りにも注目すると面白い発見がありそうだ。【高橋広之】
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