オリンピック 選手や審判へひぼう中傷相次ぐ

アルジェリアの選手は

女子66キロ級に出場しているアルジェリアのエイマヌン・ハリフ選手はオリンピックは東京大会に続く2回目の出場で、おととしの世界選手権では63キロ級で銀メダルを獲得しました。

IOCなどによりますと、ハリフ選手は去年の世界選手権で、筋肉の量や骨格を決めるとされる男性ホルモンの一種、テストステロンの数値が高く、女子選手としての出場資格を満たしていないとして、IBA=国際ボクシング協会から失格処分を受けたということです。

一方で組織運営の問題が相次いだとして国際競技団体としての承認が取り消されたIBAに代わって、パリオリンピックのボクシングはIOCの管轄のもとで予選から運営が行われています。

大会の出場権を得たハリフ選手については女子選手としての出場資格を巡ってIOCとIBAの判断が分かれたことで、SNSなどでは大会への参加を疑問視する声も上がりました。

1日には大会初戦となる2回戦でイタリアのアンジェラ・カリーニ選手と対戦し、第1ラウンド開始46秒でカリーニ選手の棄権によって準々決勝進出を果たしました。

試合のあと、カリーニ選手が「きょうは強い痛みを感じた。最初の一撃で鼻から出血し始め、私は耐えられなかった。勝利に貢献できず申し訳ない気持ちだ」と棄権した理由を説明しました。

一方、ハリフ選手は各国のメディアから出場をめぐるさまざまな反応について質問が投げかけられましたが「アルジェリアのためにメダルを獲得できるよう全力を尽くしたい」などと述べるにとどまりました。

台湾の選手は

また、パリ大会のボクシングには、ハリフ選手と同じく、去年の世界選手権で出場資格を満たさなかったと判断され、銅メダルを剥奪された台湾のイクテイ・リン選手が女子57キロ級に出場しています。

リン選手も2回目のオリンピック出場で世界選手権で2回、金メダルを獲得したことがあります。

IOC「すべての定められた医療規程を遵守している」

2人の出場資格についてIOCは「パリ大会のボクシングに参加するすべての選手は、大会の参加資格とエントリー規程などすべての定められた医療規程を遵守している。これまでのオリンピックと同様、選手の性別と年齢はパスポートに基づいて決定される」と正当性を強調しました。

さらに、IBAが下した処分について「2人は正当な手続きなしに突然、失格処分を受けた。IBAの議事録によると、この決定は当初、幹部によってのみ下された。この2人のアスリートに対する今回の攻撃は、適切な手続きなしに下されたこの恣意的な決定に基づいている」などとする見解を示しました。

その上で、2人に対するひぼう中傷が相次いでいることについて、「すべての人には差別なくスポーツを行う権利がある。オリンピック憲章、IOCの倫理規程、人権に関するIOCの戦略的枠組みに従って オリンピックに参加するすべての選手の人権を守ることに尽力している。IOCは2人のアスリートが現在受けているひぼう中傷を悲しく思う」とコメントしています。

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