競泳史上最年長の33歳 進化を続けて迎えた決勝の舞台
日本の競泳史上で最年長となる33歳でのオリンピック出場を果たした鈴木聡美選手。
年齢を重ねてなお進化を続け、メダルを獲得した2012年のロンドン大会以来となる決勝の舞台まで進みました。
「この年齢になるといろいろなものが落ちてくると思うが、トレーニングするたびにどんどんできるようになってきている。誰か論文を書いてくれないかなと思うくらい、自分の体の構造や、細胞の変化とか、どうなっているんだろうなと自分に驚かされてばかり」。
鈴木選手は、30歳を超えて自己ベストを更新し続ける自身の泳ぎについて、こう表現しました。
女子200メートル平泳ぎでの銀メダルなど、3つのメダルを獲得したロンドン大会から12年。
鈴木選手は33歳となったことし3月の代表選考の大会、100メートル平泳ぎで自己ベストのタイムで優勝するなど、2種目でパリの切符をつかみ、とどまることを知らない進化を見せました。
“じっくり自分自身と向き合って体作り”
鈴木選手はこの3年間の進化について、東京大会への出場を逃してからじっくり自分自身と向き合って体作りができたことが大きかったと振り返ります。
単純な筋力アップだけをはかるのではなく、トレーナーとともに、関節や肩甲骨などの細かい動かし方にこだわってトレーニングを重ねたことで、より効率のいい泳ぎにつながったといいます。
さらにロンドン大会のときより体重は2、3キロ絞れ、「これまでは筋力任せの泳ぎをしていたが、今は余計なものをそぎ落として、体重移動や瞬発力のあるキックなど効率よく体を動かせるようになった」と年齢を重ねてからのタイム向上の要因を明かしていました。
現在も母校の大学で学生たちと一緒に練習をし、その圧倒的な練習量で進化を続けてきた鈴木選手。
そんな自分の姿を通じて感じてもらいたいことがあるといいます。
「後輩たちから『聡美さんでも練習しんどいことがあるんですね』と言われて、『しんどいことしかないよ』と話したことがあった。私だからできるのではなくて、みんなもできる素質はあるんだよということを、メッセージとして伝えられたらと思う。“何も考えずにやってみよう”という挑戦する心を持ってほしい」。
“挑戦すれば成長できる”
今大会のチームジャパンのスローガンは『一歩踏み出す勇気』。
日本競泳史上最年長がパリで見せた泳ぎは、挑戦すれば成長できるということを教えてくれています。
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