卓球の女子シングルスは1日、パリ市内の「パリ南アリーナ」で準々決勝が行われ、世界ランキング13位の平野選手は、世界8位で韓国のシン・ユビン選手と対戦しました。
3ゲーム連取された後 3ゲーム奪い返すも 競り負ける
平野選手は、序盤から相手の鋭いドライブショットに苦しみ、第1ゲームを4対11、第2ゲームを7対11、第3ゲームを5対11と連続で落として、あとがなくなりました。
しかしこのあと、平野選手は緩急をつけたショットでペースをつかみ、第4ゲームを11対7で初めて取ったあと、続く第5ゲームを11対8、第6ゲームを11対9で奪い返して、ゲームカウント3対3で並びました。
そして最終の第7ゲームで、平野選手は先にマッチポイントを握りましたが、相手にデュースに持ち込まれ、最後は11対13で落としました。
平野選手は、世界ランキング上位の相手に、およそ1時間20分にわたって接戦を繰り広げましたが、ゲームカウント3対4で競り負け、初めて出場したシングルスで、準決勝に進むことはできませんでした。
平野美宇「チャンスあったのに 殻を破れず悔しい」
女子シングルスの準々決勝で、相手に先に3ゲームを奪われたあと、3ゲームを取り返したすえに敗れた平野美宇選手は「最後はチャンスがあったのに、殻を破ることができなかった。これが最初で最後のシングルスだと思うので負けてしまい悔しい」と涙ながらに振り返りました。
そのうえで、今月5日から始まる女子団体に向けて「まだメダル獲得のチャンスはあるので、チーム一丸となって頑張りたい」と話していました。
自分で勝ち取った代表に恥じない戦いぶり
「自分で勝ち取ったシングルスの代表。初めての舞台なので、どの選手とあたっても挑戦者の気持ちで挑みたい」。
平野美宇選手は、これまで女子卓球界をけん引してきたひとり、伊藤美誠選手との激しい代表争いを制し、夢だったオリンピックのシングルスの切符をつかみました。
平野選手は前回の東京大会、団体のメンバーとして初めてのオリンピックに出場。この3年間、1つずつ階段を上り、パリでたどり着いたシングルスの舞台。
今大会、その平野選手を象徴するキーワードが、“勝ち取ったシングルス”と“挑戦者”という2つの言葉です。
31日の2回戦のあとには「自分で勝ち取ったシングルスだし、最初で最後かもしれないので、いつもだったらちゅうちょする場面も必ず攻めるようにしている。向かっていく挑戦者の気持ちで自分の力を出し切りたい」と話していました。
そして迎えた準々決勝。
世界ランキング13位の平野選手の対戦相手は、世界8位のシン・ユビン選手。
国際大会では過去に2回対戦し1勝1敗ですが、直近の2023年のアジア大会では平野選手が勝利していました。
1日の試合、平野選手は2つのキーワードを体現しました。
第1ゲームから3ゲームを連取され、あとがないところから攻めの姿勢で流れを呼び込み、第4ゲームから3ゲームを奪い返したのです。
そして最終第7ゲーム、序盤、リードを許すも、その後追いつき一時逆転。
デュースのすえ、最後はランキング上位の意地を見せた相手に力尽きたものの、シングルス代表に恥じない戦いぶりを見せました。
試合後、平野選手は「ふだんの自分だったら、0対3で負けている流れのまま負けてしまうところだったが、きょうの自分はそこから勝てるかもしれないところまで追いつけた。最後はあと1点がとれず、悔しい。シングルスの代表を目指して東京大会も含めこの8年間頑張ってきて、後悔のない試合はできたが、メダルがとれなくて悔しい」と涙ながらに話しました。
東京大会後には引退も頭をよぎりましたが、シングルスでオリンピックに出場するという夢を叶えるため戦ってきた平野選手。
シングルスでは準々決勝敗退となりましたが、団体での金メダル獲得というもう1つの夢が残っています。
代表を勝ち取った自負とチャレンジャー精神はチームにとっても欠かせません。
平野選手のパリでの戦いは続きます。
平野美宇 3回戦と2回戦の戦いはこちら
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