127チームの熱戦が繰り広げられた全国高校野球選手権東東京大会が終わった。強豪校が手堅く勝ち進む中、関東第一が試合巧者ぶりをみせ、5年ぶりに優勝した。
躍進したのが東京高校だ。好投手右腕・永見光太郎(3年)を擁し初の4強入りを果たした。春の都大会3回戦で二松学舎大付に1失点完投勝利したのを機に、一躍注目を集めた永見。自信をつけて挑んだ夏は立教池袋との4回戦、参考記録ながら七回無安打無得点試合を達成。5回戦で前年覇者の共栄学園を被安打1で完封と、めざましい活躍を見せた。
春にコールド負けした日大豊山との準々決勝も十一回を完投。ただ、準決勝では疲労から本来の投球ができず、帝京の強力打線に18安打を浴びて八回コールド負けした。
多くの強豪校は、東京と対照的に継投で勝ち上がった。頂点に立った関東第一は5人、準優勝の帝京は6人の投手をマウンドに上げた。高野連関係者は「投手一枚では、今の東京の夏は厳しい」と指摘する。
勝敗がつかない場合、無死走者一、二塁から始まるタイブレークは昨年度、開始イニングが十三回から十回に前倒しされた。このタイブレークが試合を決めることも少なくなかった。
一昨年覇者の二松学舎大付は雪谷との初戦、岩倉との3回戦がいずれもタイブレークに。二松学舎大付は昨夏、昨秋とタイブレークで敗れた経験を生かし、勝ちきった。
8強をかけた小山台と修徳の試合も、タイブレークに。十一回、無死満塁のピンチで、小山台に守備の乱れが出てサヨナラ負けした。
壮絶な試合となったのは、板橋と攻玉社の3回戦。攻玉社が九回裏に6点差を追いつき、タイブレークへ。延長に入り2度リードを許したが十二回裏、4点を取り、3時間超の死闘を制した。
頂点に立った関東第一は総合力の高さをみせた。優勝候補筆頭の帝京との決勝では中盤、技巧派の左腕・畠中鉄心(てつしん)(3年)から速球派の右腕・坂井遼(はる)(3年)へ継投し、強打の帝京の反撃をかわした。攻撃では敵失をいかしたり、好機にボールを叩きつける打撃を徹底したりして、少ないヒットでも点に結びつけた。
準々決勝、準決勝と圧倒的な力で勝ち上がってきた帝京は今大会、初めてリードを奪われる展開になった。5番富浜琉心(3年)が本塁打を放つなどして一時逆転したが、守備の乱れもあり、流れを引き寄せられなかった。
年々、出場チームが減る中、新たに加わった学校もあった。昨年末、同好会から部に昇格した竹台は今夏初出場。初戦、実践学園に五回コールド負けしたが、3年生3人と1年生9人が躍動する姿が印象に残った。(佐野楓)
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