馬術の総合馬術団体で銅メダルを獲得した(右から)戸本一真、大岩義明、北島隆三、田中利幸=パリで2024年7月30日、玉城達郎撮影

 29日に当地のベルサイユ宮殿で行われた総合馬術団体で、日本馬術界にとって92年ぶりのオリンピックメダルとなる銅メダルを獲得した日本の4選手が30日、パリ市内で記者会見に臨んだ。ネット交流サービス(SNS)で「初老ジャパン」として話題になっている平均年齢41・5歳の選手たちは、穏やかな表情で報道陣の質問に答えた。

 日本チームは、大岩義明(48)=nittoh▽戸本一真(41)=日本中央競馬会▽北島隆三(38)▽田中利幸(39)=ともに乗馬クラブクレイン=の4選手。

 全員が昭和生まれで、アスリートではベテランの域に入ることから「初老ジャパン」と呼ばれていることについて大岩は「大変光栄に思っています」と笑顔。「私は長老(最年長)ですが、我々はマイナースポーツ。認知してもらうことはすごく大事。ネーミングしてもらって話題になれたのは良いこと。引き続きよろしくお願いします」と語った。

 表彰式後、それぞれの愛馬は拠点の英国へすぐに移送されたという。戸本は「(移送の際)3日間を完走してくれてありがとうと馬には伝えました。(英国に)帰ってしばらく休養に入る。僕の馬は食べることが大好きなので、好きなだけ食べていいよと伝えたいですね」と相棒をねぎらった。

 1932年ロサンゼルス五輪で「バロン西」こと西竹一さんが金メダルを獲得して以来、閉ざされていたメダルへの扉を開けた4人。メダル獲得の要因について大岩は、21年に行われた自国開催の東京五輪へ向けた強化を挙げた。「東京五輪までの強化で、4人が環境の良い欧州に滞在してトレーニングを続けることができた。そこからパリまで同じメンバーで、10年近く一緒にトレーニングできたことが、一番だと思っています」と述べ、チーム力でつかみ取った結晶であることを強調した。【パリ倉沢仁志】

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