パリオリンピック選手村の食事の評判が悪い。フランスメディアによると、イギリスやドイツの選手団は、選手村の食事について「選手が求めるメニューや量ではない」と批判したという。このうち、イギリスはすでに自前でシェフを招いたそうだ。

またイギリスのタイムズも、あるイギリス代表選手が、「食事には苦労している。ここ数日でたくさんの人がやってきて、今ではカオス。ピーク時に行くと、チキンを一切れ手にいれるのさえ難しいこともある」と話したと報じた。

また選手村ではなく試合会場に近いホテルに滞在している別の選手は、選手村を訪れた後に、「ホテルに滞在し食事ができることに感謝している」と話したという。

そして、2人の選手が口を揃えたのは、「日本は整っていたが、ここは期待していたほど組織化されていない」「パリの食事は前回大会よりも格段に悪い」という、東京オリンピックの食事への高評価だ。

東京大会では、3000席の「メインダイニング」で日本料理や世界各国の料理、グルテンフリーなどにも対応した約700種類の料理が24時間提供された。

メニューの一例としては、「牛肉と野菜煮 たらの香草ソテー」など。メインダイニングの他にも日本の食文化を楽しんでもらう「カジュアルダイニング」もあり、一般から公募した「色とりどりの夏野菜を使った冷やしおでん」、夏バテ防止に効果がある食材で作った「アスリートそうめん」、桃と生ハムの「さっぱり桃トースト」など個性的なメニューも振る舞われた。

多くの選手がSNSなどで選手村の料理を激賞し、投稿された動画が世界中で閲覧された。女子ラグビーの選手は、「今までの人生で食べた中で一番の餃子がここにある。毎食食べているわ」と餃子を頬張る動画をTikTokに投稿。バレー選手は「日本のカレーだよ」とカレーをバクバク食べる動画を投稿した。おにぎりやお好み焼きなどの和食も人気で、ベジタリアンやハラルなどにも対応していた。各国の代表選手がおいしそうに食べる映像を、ちょっと誇らしい気持ちで目にした人も多かったのではないだろうか。

ちなみに会計検査院によると、メインダイニングホールへの飲食提供業務には71億円あまりが支払われている。食材総使用量は1207トンで、余って捨てられた食事は175トンに上ったという。

パリ大会はまだ始まったばかりだ。運営側は当初、地元の農産物やオーガニック製品にも重点を置きメニューを構成していた。しかし選手からの苦情を受け、大量の卵や肉を追加するなどしているという。“美食の都パリ”の名に恥じぬレストランへの変化を期待したい。

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