第95回都市対抗野球大会で30日の決勝に進んだ横浜市・三菱重工Eastの左腕、本間大暉投手のグラブに熱い視線が注がれている。珍しい緑色を基調とし、カエルの図柄と「ゲコ太」の文字があしらわれている。気迫あふれるピッチングとは対照的な愛らしいグラブに込めた思いとは。そしてもう一つのグラブとは……。
29日の東京都・東京ガスとの準決勝は、2点リードの八回無死一、三塁のピンチで出番を迎えた。マウンドで大きく息を吐き、1人目の打者を外に逃げる変化球で空振り三振に仕留めると、次も外角の速球で空振り三振。最後も見逃し三振で切ってみせた。
勝利をぐっとたぐり寄せ、天を仰いでほえた。九回も無失点に抑えてチーム初の決勝進出に貢献した本間投手の右手のグラブには、やはりかわいいカエルがあしらわれていた。
試合後はにこにこした表情になり、グラブについては「ネットで見つけてかっこいいと思ったから緑にした。緑といえばカエル。せっかくなので名前をつけようと思い、自分で『ゲコ太』と決めた」と話した。もう一つ「日本一」と記したグラブもあるという。
2年前は横浜市・ENEOSの補強選手として優勝に貢献。今大会は「ベース上で強く、伸びる真っすぐ」とこだわりを持つ最速149キロの直球を武器に、高岡市・伏木海陸運送との1回戦で完封し、さいたま市・日本通運との準々決勝では救援でチームの快進撃を支える。埼玉栄高から専大、三菱重工広島を経て横浜市に来た29歳。愛用のグラブとともに目指すのはチームの初優勝だ。【黒詰拓也】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。