これは29日、ブルージェイズが発表しました。

2019年にプロ野球の西武からマリナーズに入団した菊池投手は2022年にブルージェイズに移籍し、昨シーズンは防御率3.86で大リーグでは初めてふた桁の11勝をあげました。

3年契約の最終年となる今シーズンは、ここまで4勝9敗、防御率4.75と苦しんでいるものの、115回と3分の2イニングを投げて130個の三振を奪うなど力強いピッチングは健在で、チームがアメリカンリーグ東部地区の最下位に沈んでいることもあって、アメリカメディアの間ではプレーオフ進出を見据えるチームへのトレードが予想されていました。

アストロズは7年連続でプレーオフに進出し、2017年と2022年にはワールドシリーズを制している強豪です。

今シーズン序盤は出遅れたものの、優勝した2017年にシーズンMVP=最優秀選手を受賞したアルトゥーベ選手などを中心とした強力打線で盛り返し、ここまでチーム打率リーグトップでアメリカンリーグ西部地区の首位に立っています。

一方で、先発ピッチャー陣の防御率はリーグ10位と苦しんでいて、安定してイニングを投げきれる菊池投手に白羽の矢が立った形です。

アストロズからは若手の有望株の3選手がブルージェイズに移籍するということです。

※成績は28日現在。

菊池 トレードの背景は

大リーグは毎年、シーズンの3分の2ほどが終了する7月の終わりから8月の初めにかけて選手をトレードできる期限が設定されます。

この時期までに上位にいるチームはプレーオフ進出やその先のワールドシリーズ制覇に向けてほかのチームから積極的に戦力を補強する「買い手」となり、一方で下位に沈んでいるチームは主力選手を放出する「売り手」にまわり、若手の有望株の選手を獲得して再建を目指すケースが多くあります。

菊池投手が所属するブルージェイズはここまでアメリカンリーグ東部地区で最下位に沈み、今シーズンのトレード市場で「売り手」となっていました。

菊池投手は今シーズンはここまで4勝にとどまっていますが、2019年の大リーグ移籍以降けがによる長期の離脱はなく、シーズン終盤まで安定したピッチングが期待できるほか、今シーズンの平均球速は153.8キロとサウスポーの先発ピッチャーではトップクラスとなっています。

この時期にトレードの候補として名前があげられることは、ここからプレーオフの戦いを見据えるチームにとって勝利への重要な「ピース」と期待されていることを示していて、菊池投手もこれまでの取材に対して「33歳になって『勝ちたい』という思いはあるし、もし求められてどこかに選ばれるのであれば、それは光栄なことだ」と話していました。

今シーズンが3年契約の最終年となっている菊池投手は、シーズン終了後にFA=フリーエージェントとなります。

菊池投手本人にとっても新たなチームで活躍すれば、来シーズン以降の大型契約につながる可能性もあり、まさにここからチームを優勝に導く働きが求められます。

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