東京ガス応援団創設50年を記念した演舞を披露する田中計三さん=東京ドームで2024年7月29日午後6時41分、白川徹撮影

 東京ドームで行われている第95回都市対抗野球大会で、29日の準決勝に臨んだ東京ガス(東京都)の応援団は、2024年が創設50年の節目だ。01、02年に主将を務めた応援団員の田中計三さん(59)にとっても今年は特別な大会だった。来年6月に定年退職を迎えるため、応援団員として迎える最後の都市対抗。「団の形は時代によって変わるが『野球部の後押しをする』という精神は変わらない」とスタンドから声援を送った。

 田中さんは1983年に入社し、85年に応援団へ入団した。「当時は事業所が新入社員を推薦し、1年は活動することになっていた」。その頃、団員は約60人おり、都市対抗の予選前には4泊5日の合宿をする力の入れようだった。社内で職種を超えて仲間と交流することが楽しく、団の活動にのめりこんだ。しかし、チームは予選で敗退することが多く、「応援が足りなかった」と責任を感じたという。

東京ガス応援団創設50年を記念した演舞を披露する田中計三さん(右)=東京ドームで2024年7月29日午後6時45分、白川徹撮影

 一時転勤で応援団を離れたものの、01年に9代目主将に就任して2年間務めた。その後も出たり入ったりしながら団員を続け、21年には東京ガスの都市対抗優勝をスタンドから見届けた。「定年までには一度は優勝をと思っていたので、うれしかった」と振り返る。

 岩本康人・現主将(51)で15代目の主将となった応援団は今大会、「田中さんと都市対抗で5連勝すること」を目標に掲げた。田中さんのように定年退職まで応援団を続けることは珍しく、「応援団の精神的支柱のような人」(岩本主将)という先輩に尊敬の思いを込めた。

 田中さんはこの日、「最後にもう一度優勝を」とスタンドから鼓舞したが、チームは惜しくも敗退。田中さんの応援団員としての都市対抗も終わりを告げた。【白川徹】

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