ゲームセット直後、ベンチを飛び出した仲間たちにねぎらわれる石橋の入江遊撃手兼投手(中)=宇都宮市のエイジェックスタジアムで

 第106回全国高校野球選手権栃木大会は28日、宇都宮市のエイジェックスタジアムで決勝が行われ、石橋が国学院栃木に9-8で逆転勝ちし、初優勝した。公立校の優勝は2005年の宇都宮南以来19年ぶり。石橋は「21世紀枠」で出場した23年春の選抜大会に次ぐ甲子園出場となる。(武藤康弘)  「ミラクル」と呼びたくなる大逆転劇で、石橋が栃木大会の頂点に立った。一回表、国学院栃木に打者一巡、ソロ本塁打を含む6安打を許して5失点。先発柳田、2番手平間の両投手で2死しか取れず、準決勝・作新学院戦で好投した入江祥太遊撃手兼投手(3年)が緊急登板して相手の27分に及ぶ攻撃を止めた。  序盤から大差を追いかける展開。だが、石橋ベンチに硬さはなかった。福田博之監督は前向きな言葉で選手たちを諭したという。「決勝だからコールドゲームにはならない。先に点を取った相手が追い上げられる気持ちはどんなものか。うちには追う者の強みがあるじゃないか」  二回に伊沢颯盛(りゅうせい)選手(3年)の走者一掃の適時三塁打などで4点を返して素早く反撃ののろしを上げ、5-8で迎えた六回は3連打で無死満塁とした後、二つの押し出し四球と相手内野陣の併殺ミス(タイムリーエラー)で再び4点を返して逆転した。安打と「運」がうまく絡み、得点につながった。  「競った試合になったとき、競り負けないのが今大会の成長」とうなずく福田監督。学校創立100周年の年に開場100周年の甲子園球場へ乗り込むことについて、「節目の年に行けて、子ども(選手)たちは幸せ」とほおを緩ませた。


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