無観客となった東京オリンピックの開会式で入場行進する日本選手団=国立競技場で2021年7月23日午後10時34分、佐々木順一撮影

 オリンピックの開会式は、国際オリンピック委員会(IOC)が策定した五輪憲章で開催が義務付けられており、近代五輪が始まった1896年アテネ五輪以降、中止されたことはない。新型コロナウイルスの感染拡大で史上初めて延期された2021年の東京五輪でも実施された。

 26日開幕のパリ五輪では開会式当日朝になって、フランスの高速鉄道TGVの複数の路線が放火され、設備が破壊されるという鉄道網を狙った攻撃が発覚した。運行が大幅に乱れて約80万人に影響が出るとされ、開会式への影響も懸念されている。

 一方で、1900年パリ五輪では開会式が実施されなかった。当時の五輪は、万国博覧会(万博)の付属国際競技大会とされ、期間も5月14日から10月28日まで断続的に競技が行われた。IOCによると、このパリ大会が開会式を実施しなかった唯一の五輪になるという。

 1924年以来、100年ぶり3回目のパリ開催となる今回の開会式は、史上初の競技場外となるセーヌ川を舞台に計画され、各国・地域の選手団は船に乗って入場パレードをする予定となっている。仏内務省によると、セーヌ川沿いの開会式で警備にあたる警察官や憲兵は約4万5000人。1キロあたり3750人の警備担当者が配置される。【パリ倉沢仁志】

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