(25日、第106回全国高校野球選手権千葉大会準決勝、市原中央3―6市船橋)
九回表、市原中央の最後の攻撃。簡単に2死にされたが、2番・関晴成(3年)と3番・土橋怜於(3年)が意地で安打でつなぎ、一、二塁に。
そして、打席には4番・塚田涼月(2年)。今大会注目投手の一人、市船橋のエース工藤将祐(3年)に、フルカウントに追い詰められた。
「打ちたい、打ちたい」。6球目。気持ちが強すぎたのか、外角低めへの変化球を空振りした。
野球を始めたのは小学1年のとき。これまでも中軸を任されることが多かった。市原中央でも2年ながら4番を任された。日々のトレーニングに加え、毎食600グラムの米のほか、間食としてチキン。おかげで身長187センチ、体重90キロ超の体を作り上げた。
だが、今大会は本領を発揮できずにいた。準々決勝までは、全5試合に出場したが、わずか3安打。3年の先輩からの「俺が打つから、楽に行け」という言葉に支えられた。
空振り三振して、夏が終わった。そのまま地面にうなだれた。木川琥大朗(3年)から「来年はお前が引っ張って、甲子園に連れて行け」と言われて立ち上がった。
この試合、ここぞの1本を出せなかった。一方で、好投手工藤を相手に2安打を打てた。「4番打者は打点が大事。チャンスに強い打者になる」。4番の本領は、来年の夏に発揮すると誓った。=ZOZO(マハール有仁州)
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