目次

  • サッカー女子 初戦はスペインに敗れる

  • 7人制ラグビー男子(4戦目) サモアに敗れ11位、12位決定戦へ

パリオリンピック2024【NHKニュース】

100年ぶりにパリが舞台のオリンピックは、7月26日に開会式が行われ、8月11日までの17日間の日程です。

《競技結果》

サッカー女子 初戦はスペインに敗れる

世界ランキング7位の日本は、パリ大会で2012年のロンドン大会での銀メダルを上回る金メダル獲得を目標に掲げています。

日本はグループCの初戦で、オリンピック初出場ながら、去年のワールドカップで優勝している世界1位のスペインと対戦しました。

日本は、キャプテンでディフェンダーの熊谷紗希選手や司令塔の長谷川唯選手、20歳の藤野あおば選手などが先発メンバーに名を連ねました。

試合は前半13分、日本がペナルティーエリアの手前でフリーキックを獲得すると、藤野選手が直接右足で豪快にシュートを決めて先制しました。

しかし、その後はスペインの高い技術を生かしたパスワークに主導権を握られ、22分、去年、女子の最優秀選手に輝いたアイタナ・ボンマティ選手に同点となるゴールを決められ、1対1で前半を終えました。

後半もスペインに攻め込まれる場面が続き、日本はゴールキーパーの山下杏也加選手を中心に体を張ったプレーで粘り強く守りましたが、ディフェンダーの清水梨紗選手が負傷交代したあとの29分、ゴール前でパスをつながれて逆転のゴールを決められました。

日本は、世界1位のスペインを相手に先制したものの、その後は決定機を作ることができず、1対2で敗れ、黒星スタートとなりました。

サッカー女子は4チームずつ3つのグループに分かれて予選リーグを戦い、各グループの上位2チームと3位の中から成績が上位の2チームが決勝トーナメントに進みます。

日本は28日、日本時間の29日未明に予選リーグの第2戦で世界9位のブラジルと対戦します。

キャプテン 熊谷紗希「落ち込んでいる暇はない」

キャプテン 熊谷紗希選手
「勝ち点が欲しかったので負けたのは残念だが、中2日で次の試合が始まるし落ち込んでいる暇はない。何としても次は勝ち点を取りに行き予選リーグ突破に向けて自分たちのできることをすべてやる。いい準備をしていきたい」

サッカー女子 パリオリンピック【日程・日本代表・放送予定】

7人制ラグビー男子(4戦目) サモアに敗れ11位、12位決定戦へ

7人制ラグビー男子は、開会式に先立って24日から始まり、予選リーグで3連敗して順位決定戦に回った日本はサモアと対戦しました。

日本は序盤からサモアに攻め込まれ、2つのトライを決められてリードを許します。

その後、前半終了間際にスクラムからパスを受けた野口宜裕選手が抜け出してトライを決め、トライ後のゴールキックを谷中樹平選手が決めて7対14で試合を折り返しました。

後半も積極的に敵陣に攻め込みましたが、勝負どころでミスが出てトライにつながらず、逆に相手に突き放されて7対42で敗れ、4連敗となりました。

日本は27日、11位、12位決定戦でウルグアイと対戦します。

7人制ラグビー男子(3戦目) 南アフリカに敗れ決勝T進出逃す

7人制ラグビー男子は、予選リーグの最終戦となる第3戦で南アフリカと対戦しました。

日本は序盤から南アフリカの攻撃に押されて流れを止めることができず、前半だけで5つのトライを許して0対35で試合を折り返しました。

日本は後半3分に細かくパスをつないで近畿大の植田和磨選手が抜け出してトライを奪いますが、試合を通じて得点はこのトライによる5点にとどまり、5対49で敗れました。

この結果、日本は予選リーグ3連敗で、グループAの最下位が決まり、2大会連続で決勝トーナメント進出を逃しました。

日本はこのあと行われる9位から12位を決める順位決定戦でサモアと対戦します。

グループAの最終順位は1位がニュージーランド、2位がアイルランド、3位が南アフリカ、4位が日本となりました。

アーチェリーも競技始まる 日本選手も出場

パリオリンピックは、25日、パリ中心部でも競技が始まり、ナポレオンのひつぎが安置されていることで知られるアンバリッドではアーチェリーが行われ、日本の選手たちも出場しました。

ナポレオンのひつぎが安置されていることでも知られるアンバリッドでは、アーチェリーの個人種目が始まりました。

25日は対戦相手を決めるためのランキングラウンドが行われ、日本から、女子は野田紗月選手が、男子は6大会連続出場で前回の東京大会で銅メダル2つを獲得した古川高晴選手をはじめ、中西絢哉選手、斉藤史弥選手がそれぞれエントリーしています。

エッフェル塔やグランパレといった歴史的な建造物に囲まれる厳かな雰囲気の中での競技となりましたが、日本勢のトップを切って臨んだ女子の野田選手は、試合前に「ふだんどおり行きたい」と話していたとおり、集中した様子で矢を放ち的の中心近くに次々と命中させていました。

アーチェリーで日本選手が出場する各種目の決勝は、男子団体が今月29日、混合団体が来月2日、男子個人が来月3日、女子個人が来月4日にそれぞれ行われます。

《競技前の日本選手》

陸上日本代表 フランス国内の合宿地で練習公開

パリオリンピックに出場する陸上の日本代表がフランス国内の合宿地で練習を公開し、男子110メートルハードルの日本記録保持者の村竹ラシッド選手などが、軽めのメニューで調整しました。

パリオリンピックの陸上の日本代表は、パリ郊外の町セルジーで事前合宿を行っていて、25日に公開された練習には、トラック種目とフィールド種目に出場する選手のうち13人が参加しました。

このうち男子110メートルハードルで、泉谷駿介選手と並んで13秒04の日本記録を持つ村竹選手は、短い距離のダッシュを繰り返すなど、軽めのメニューで調整していました。

前日にフランス入りしたという村竹選手は「世界と十分戦える力をつけてきた自信があるので発揮したい。最高のパフォーマンスを披露して、決勝進出、そしてメダル獲得を目指したい」と初めてのオリンピックへの意気込みを話していました。

また、男子100メートルの坂井隆一郎選手は、持ち味のスタートの動作を確認していました。

坂井選手ともに400メートルリレーのメンバーに選ばれている柳田大輝選手は、25日が21歳の誕生日で、桐生祥秀選手などチームメートからサプライズでケーキが送られると、笑顔を見せていました。

このほか、オリンピックの女子三段跳びに日本選手として初めて出場する森本麻里子選手は、ランニングなどの軽めのメニューで調整していました。

パリオリンピックの陸上は、8月1日から始まります。

坂井隆一郎「100メートルで結果を残したい」

坂井隆一郎選手
「悔いのないように調整して自分の最大限の力を出せるように残り数日を過ごしたい。初めてのオリンピックなので挑戦者として100メートルでは決勝進出を目指して頑張りたい。400メートルリレーは個人の力を高めないとメダルは狙えないと思っているので、100メートルで結果を残したい」

森本麻里子「結果で恩返ししたい」

女子三段跳びで日本選手として初めてオリンピックに出場する森本麻里子選手
「歴史的な日を迎えることになりたくさんの人に支えてもらって感謝の気持ちでいっぱいだ。結果で恩返ししたい」

パリ五輪 柔道 村尾三四郎が出発前に意気込み「金メダルを」

パリオリンピックの柔道男子90キロ級でメダル獲得が期待される村尾三四郎選手がフランスへの出発を前に取材に応じ「金メダルを勝ち取りたい」と意気込みを語りました。

23歳の村尾選手は、豪快な投げ技を持ち味とする日本期待の選手で、初出場となるパリオリンピックでは金メダル候補にも挙げられています。

25日は、フランスへの出発を前に羽田空港で取材に応じ「緊張ももちろんあるが、覚悟を決めてやるだけだ」といまの心境を話しました。

ここ1か月は対戦相手を意識して稽古を積んできたということで「あとは本番で準備してきたことを出すだけだ。状態はいい」とコンディションにも自信をのぞかせました。

村尾選手の最大のライバルは東京大会の金メダリスト、ジョージアのラシャ・ベカウリ選手で、村尾選手は「ベカウリ選手に勝たないと金メダルはないと思っている。決勝で倒して金メダルを勝ち取りたい」と話していました。

そして「日本柔道は、やっぱり金メダルをとって初めて『おめでとう』と言われるような立場だと思っている。そこのプレッシャーもしっかり受け止めて、プラスに変えていきたい。金メダルを首から下げてみんなにいい報告ができるように帰ってきたい」とことばに力を込めました。

パリオリンピックの柔道は大会2日目の今月27日から始まり、村尾選手が出場する男子90キロ級は31日に行われます。

テニス 錦織圭 3種目出場へ ダブルスの男子と混合も

パリオリンピックのテニスのダブルスにエントリーした選手が発表され、男子シングルスに出場する錦織圭選手が男子ダブルスと混合ダブルスの合わせて3種目に出場することになりました。

ITF=国際テニス連盟は24日、パリオリンピックのテニスのダブルス種目にエントリーした選手を発表しました。

このうち、男子で2008年の北京大会から5大会連続のオリンピック出場を決めている錦織選手は、男子ダブルスではダニエル太郎選手とのペアで、混合ダブルスでは柴原瑛菜選手とのペアでそれぞれ出場することになりました。

2016年のリオデジャネイロ大会の男子シングルスで銅メダルを獲得した錦織選手はパリ大会ではシングルスを含めて3種目に出場する見通しです。

パリオリンピックのテニスの会場は四大大会の全仏オープンと同じ「ローランギャロス」で、競技は27日から始まります。

《海外勢》

バスケ男子 米代表 カリー 初の五輪に「金メダル獲得が目標」

バスケットボール男子の世界ランキング1位で、オリンピック4連覇中のアメリカ代表は、NBA=アメリカプロバスケットボールのスター選手がそろう、金メダルの最有力候補です。

25日は、メインプレスセンターで記者会見が開かれ、NBAで歴代最多のスリーポイントシュート成功数を誇るステフィン・カリー選手と、3大会連続でオリンピックの金メダルを獲得しているケビン・デュラント選手が出席しました。

このうち、36歳で自身初のオリンピックとなるカリー選手は「アメリカ代表としてオリンピックに出ることは特別な経験だ。オリンピックのすべてを楽しみたいし興奮している。金メダルを獲得することが目標だ」と意気込みを語りました。

また、同じスリーポイントシュートを得意とする日本の富永啓生選手について問われると、「6、7年前に彼と出会ったが、これからどんな活躍を見せてくれるか期待している」とエールを送りました。

一方、自身4個目の金メダル獲得に挑むデュラント選手は「オリンピックは、いつも楽しい時期だ。世界一の選手と一緒に試合をするのが楽しみだし、自分たちは、お互いのプレーを理解しているので、いい結果につながると思う」と話していました。

日本を含む12チームが出場するパリオリンピックのバスケットボール男子は、予選リーグが開会式翌日の27日から始まります。

《開催環境への懸念と対応》

サッカーの試合に観客乱入受け再発防止検証 組織委

パリオリンピックで24日に行われたサッカー男子予選リーグ、アルゼンチン対モロッコの試合で観客の一部がピッチに入り込み、競技が中断する場面がありました。

これについて大会組織委員会の安全管理責任者が25日、オンラインで会見し、会場となったフランス中部サンテティエンヌの競技場には観客席とピッチの間に障壁が設けられていないことが背景にあるとしました。

その上で「こうしたでき事がこの競技場でも、ほかの場所でも繰り返されないよう、状況を詳細に分析している」と述べ、再発防止に向け検証していることを明らかにしました。
そして具体的な対策として、観客席とピッチなどを隔てる障壁を新たに設けることや、民間の警備会社も動員した警備態勢の強化、それに観客の興奮を静めるため呼びかけをするなどの方法が考えられるとしました。

セーヌ川に懸念の声 “水質など毎日確認のうえ判断”

パリオリンピックのマラソンスイミングなどの会場となるセーヌ川について、選手からは水質の悪化だけでなく水の流れが強すぎるという懸念の声が上がっていて、世界水泳連盟は水質や水流を毎日確認したうえでセーヌ川で開催できるか判断するという考えを明らかにしました。

世界水連は25日、パリ大会の開幕を前に各種目の選手も出席してパリ市内のメインプレスセンターで記者会見を開きました。

この中で、マラソンスイミングなどの会場となるセーヌ川について問われたドイツのフローリアン・ベルブロック選手は、「水質に疑問を持っていたが、自分はいいと思う。ここで泳ぐのはハッピーだ。ただ心配なのは水の流れで、10キロを泳ぐには強すぎる」と懸念を示しました。

こうした声を受けて、世界水連のブレント・ノビツキー事務局長は毎日、水質と水流について報告を受けていて、セーヌ川で競技が行えるかどうか条件を確認していると明らかにしました。

大会組織委員会のエスタンゲ会長は、水質が悪化した場合、マラソンスイミングは別の会場で行う案があるとしていますが、ノビツキー事務局長は「場所の変更がある場合に、どのタイミングで判断するかはまだ決まっておらず、わからない」と述べるにとどめました。

一方、中国の競泳選手が前回の東京大会前のドーピング検査で陽性反応が出たにもかかわらず、出場が認められた問題について、世界水連のフセイン・アル ムサラム会長は「内部でも外部でもいろんな調査を行った。ルールを守りながら調査をしてきたし、われわれができることは全部行った」と述べ、新たな証拠が出てこないかぎり、再調査を検討しないとする考えを示しました。

◆きょう開幕 日本選手団選手数 史上最多409人

パリオリンピックが26日に開幕します。日本選手団の選手数は海外で行われる大会では史上最多の409人となり、目標とする20個の金メダル獲得を目指して、17日間の戦いが幕を開けます。

100年ぶりにフランスの首都 パリで開催される今回のオリンピックは『広く開かれた大会』をスローガンに、セーヌ川で開会式が行われ、8月11日までの17日間の日程で、コンコルド広場など、街なかも競技会場となって実施されます。

パリ大会には、32競技の合わせて329種目に200ほどの国と地域などから、男子がおよそ5700人、女子がおよそ5500人の合わせて1万1000人余りの選手がエントリーしています。

難民選手団は、前回の東京大会より8人増えて、これまでで最も多い37人となっているほか、ウクライナへの侵攻によって、国としての参加が認められていないロシアと、その同盟国のベラルーシ国籍の選手は『AIN』と呼ばれる「中立な立場の個人資格の選手」として、合わせて32人が出場する見込みです。

日本選手団の選手数は、体操女子の宮田笙子選手が大会直前に出場を辞退して409人となりましたが、海外で行われる大会では、2008年の北京大会を上回り、史上最多となっています。

開会式では、
▽新競技・ブレイキンのダンサーネームShigekix、半井重幸選手と
▽フェンシングの江村美咲選手が
日本選手団の旗手を務め、フランス国内などをつないできた聖火が、聖火台に点火されます。

JOC=日本オリンピック委員会は、パリ大会のメダル目標について、海外で行われたオリンピックでの過去最多を超える、金メダル20個、メダル総数55個の獲得を目指すとしています。

“お家芸”とされる柔道や体操、レスリングのほか、スケートボードやブレイキンなどのアーバンスポーツでも、日本勢のメダル獲得が期待されています。

また、バレーボールやバスケットボールなどの団体競技の躍進にも期待が高まっていて、自国開催となった3年前の東京大会を経て、日本勢がどのような戦いを見せるか注目されます。

一方、今回のパリ大会は、
▽従来よりも環境に配慮した大会を目指すほか
▽競技会場に既存の施設を活用してコストを抑えることや
▽出場選手の男女比率を1対1にすることを目指して混合種目を増やすなど
さまざまな取り組みも行われ、今後のオリンピックのモデルケースとなり得るかも注目される大会になります。

「平和の祭典」国際情勢の緊迫続く中 テロ警戒も

今回のオリンピックは「持続可能な大会」を目指し、競技会場の95%に既存または仮設の建物が使われるほか、「ジェンダー平等」を促進するため出場選手の男女比を同じにすることを目指してきました。

一方で、オリンピックは「平和の祭典」とも言われますが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、ロシアとその同盟国のベラルーシ国籍の選手は、侵攻を積極的に支持していないことなどを条件に「中立な立場の個人資格の選手」として出場します。

また、パレスチナのガザ地区へのイスラエルの攻撃を受け、24日に行われたサッカー男子イスラエル代表の試合では一部の観客がパレスチナの旗を掲げて抗議したほか、イスラエルの国歌斉唱中にブーイングが起きる事態となりました。

国際情勢の緊迫が続く中、開会式が行われるセーヌ川沿いではおよそ10キロにわたって立ち入り制限区域が設けられるなど、テロへの警戒が高まっています。

NHKのインタビューに応じた大会組織委員会のエスタンゲ会長は、安全の確保が最優先だとした上で「選手たちは、平和やスポーツを祝い、感動を分かち合える場所があるという希望のメッセージを送ることになる。国際的な緊張の中、世界中の人たちが『互いに分かち合い、スポーツのもとに集まろう』と言えるようになってほしい」と述べ、大会の成功を通じて世界中に平和の実現を訴えたいとしました。

フランスの過去のテロ事件

フランスでは2015年以降、大規模なテロ事件が相次いで発生してきました。

2015年1月には、イスラム教の預言者の風刺画を掲載した新聞社「シャルリ・エブド」などがイスラム過激派の男らに襲撃され、あわせて17人が殺害されました。

同じ年の11月に起きた同時テロ事件では、週末の夜、多くの人でにぎわうコンサートホールなど8か所が過激派組織IS=イスラミックステートのメンバーに襲撃されました。

パリ郊外のサッカースタジアム近くで自爆テロが起きたほか、パリ中心部のバーやレストランなどで男たちが銃を乱射し、一連の事件の犠牲者は130人に上りました。

さらに2016年7月には南部ニースで花火の見物客にトラックが突っ込んで86人が死亡し、ISが関与を主張しました。

2023年の12月には、オリンピックの競技会場などにも程近いエッフェル塔周辺で、ISの影響を受けたとみられる男が通行人を刃物で殺害しました。

さらに、ことし5月、フランス内務省は、中部サンテティエンヌで、ロシア南部チェチェン出身の18歳の男をテロを企てた疑いで逮捕したと発表しました。

男はイスラム過激主義に触発され、オリンピックのサッカーの競技場で、訪れた観客や警察を襲撃し、みずからも死を遂げる計画を立てていた疑いがあり、内務省はパリオリンピック・パラリンピックを狙った攻撃を阻止した初めてのケースだったとしています。

また、6月にはパリ近郊のホテルの一室で爆発物を作ろうとしていたとしてウクライナとロシアの二重国籍を持つ26歳の男がテロを企てた疑いなどで拘束されました。

パリ五輪の警備状況は

フランスではことし3月以降、全土でテロへの警戒レベルを最高水準に引き上げていて、オリンピックの期間中は軍や警察などが厳重な警戒を行う方針です。

特に、26日には夏の大会としては初めて競技場の外で開会式が行われ、選手たちが船に乗ってセーヌ川をパレードする予定です。

警備の難しさも指摘される中、広範囲にわたって厳しい警戒態勢が敷かれています。

川沿いでは開会式の1週間以上前からおよそ10キロにわたって金属フェンスなどで警戒区域が設けられ、観客や関係者以外は原則として入れません。

この区域内に住んだり通勤したりしている人は専用の通行許可証を申請してQRコードを取得し、提示する仕組みです。

選手たちが開会式のパレードに向けて船に乗る場所では軍がボートや無人機で警戒するほか、パレード中も警察がボートなどで警備にあたります。

地元当局によりますと、開会式当日は警察官など4万5000人が動員され、その後も連日、およそ3万人の警察官が競技会場などの警戒にあたるほか軍の兵士も動員されるということです。

大会組織委員会のエスタンゲ会長は7月21日の記者会見で警察や軍、それに民間の警備会社に加え、およそ40か国から警察などの応援要員を受け入れ、国際的にも連携しながら安全な大会を実現すると強調しました。

また、暫定内閣のダルマナン内相は開会式前日の25日「開会式や大会について明確な脅威があるわけではないが、細心の注意を払っている」と述べ、最大限の警戒を続ける姿勢を重ねて示しました。

100歳の金メダリスト 平和への強い願い込め聖火リレーに参加

オリンピックを前に、フランス国内ではおよそ1万人のランナーが参加して、聖火リレーが行われています。

このうち平和への強い願いを込めて参加したのは、前回、パリでオリンピックが行われた1924年生まれで、100歳のシャルル・コストさんです。

コストさんは第2次世界大戦後、初めてのオリンピックとなった1948年ロンドン大会の自転車競技にフランス代表として出場し、金メダルを獲得しました。

戦争中は武器製造を学ぶため、フランス南部にある海軍学校に動員されたほか、この大会に敗戦国の日本やドイツは参加せず、コストさんたちも軍事施設を再利用した選手村に宿泊するなど、大会は戦争の記憶が色濃く残る中、開かれたと言います。

コストさんは当時について「開催地のロンドンは戦争中に多くの爆撃を受け、私たち選手もまだ心の傷が残っていた。それでも大会期間中は戦争の恐ろしさを忘れることができたし、表彰台に上がった瞬間はすばらしかった」と振り返ります。

そんなコストさんの元に去年の終わりごろ大会組織委員会から聖火ランナーの打診があり、コストさんは「世界から戦争がなくなり、すべての人に平和が訪れてほしい」という思いを込めて、足が悪いのを押して参加することを決めました。

そして24日、みずからが住むパリ近郊の町コロンブで、コストさんは家族が見守る中、両手でトーチを握りしめ、車いすを長男に押してもらいながら聖火をおよそ200メートル運んで次のランナーにつなぐと、沿道の人たちから大きな拍手が送られました。

大役を果たしたコストさんは「とてもうれしく、名誉なことだった。オリンピックが平和をもたらすことが、心の底からの願いです」と話していました。

金メダルの確定日は?競技日程一覧

競技日程を一覧にまとめました。
※開催日は現地時間です。

パリオリンピック 競技日程

競技名から、競技の解説や日程(日本時間)をご覧になれます。

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