(24日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会準々決勝 滝川二0―2明石商)

 「相手打者はカットボールを狙っている」

 三回2死満塁のピンチ。滝川二の新颯(しん・そう)選手(3年)はマウンドで感じた。直球を投げたが、力が入りすぎて高めに浮き、中前安打に。2点を先制された。「別の変化球を増やして抑えよう」と気持ちを切り替え、その後は無失点でしのいだ。

 明石商とは昨夏、準決勝で対戦した。新選手も三塁手、5番打者で出場。2安打を放ったが、1―2で惜敗した。「自分たちのミスで勝てる試合を落とした」と悔やんだ。

 昨春から肩の強さを見込まれ、投手も担うように。直球は最速143キロになり、多彩な変化球を覚えた。今大会は準々決勝まで16打数9安打、本塁打1本と投打に活躍し、チームはノーシードから勝ち上がった。

 準々決勝の前日に先発を言い渡され、「先輩たちの悔しい思いを背負ってリベンジする」と臨んだ。

 打撃ではこの日も4打数2安打。投手としても今大会17イニング6失点の記録を残したが、チームは最後まで明石商エースの決め球、チェンジアップを攻略できなかった。

 「2年連続で負けて悔しい。後輩には明石商を破ってほしいです」。試合後、悔しさをにじませた。

 「『ノーシードなので失うものはない』という気持ちで今大会に臨み、8強まで進んで意地を見せることはできた。勝ち進むごとにチームが成長し、最後にいいチームになりました」

 今後も大学で野球を続け、二刀流のプロ野球選手を目指すつもりだ。「将来は打って投げて活躍できる、大谷翔平さんのような選手になりたいです」(森直由)

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