第106回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、富山県高校野球連盟主催)は25日、富山市民球場で準決勝がある。富山商、高岡第一、富山北部、未来富山とも投打にバランスが取れたチーム。これまでの戦いぶりから、それぞれの特徴を分析した。(前多健吾)

午前9時 富山商―高岡第一

 昨夏の富山大会準決勝と同じカードとなった。そのときは富山商が8回コールド勝ち。ともに経験豊富な監督が率いており、采配にも注目だ。

 富山商の投手陣は3年生が引っ張る。山本心太郎投手が2試合に先発。低めを丁寧につき、打たせて取る投球で安定感がある。背番号1の左腕、宝泉陸斗投手や最速140キロ超の速球を持つ森亮太選手もおり、簡単には得点を許さない。

 打線は福田敦士選手(3年)、岡田拓馬選手(同)ら中軸が当たっている。長打力のある打者がそろい、大量得点の可能性を秘める。

 高岡第一は終盤に地力を見せて勝ち上がった。練習試合を含めて「接戦ばかり」といい、リードを許しても慌てず、試合を運べる自信がある。右横手投げのエース・大門穂高投手(同)が、富山商打線をどこまで抑えられるかが鍵になる。

 野手は3年生が中心で、数多くの試合を経験。好機を逃さず得点を重ねている。阿尾悠大選手、及川拓也選手ら上位が出塁し、勝負強い4番の田中優雅選手でかえしたい。

午後3時 富山北部―未来富山

 左の好投手を擁するチーム同士。ともにノーシードから勝ち上がった。

 富山北部は高岡向陵、桜井、富山国際大付、石動と1回戦から力のあるチームを破ってきた。エースの福山天輝(てんき)投手(3年)は変化球を低めに集め、連打を許さない投球が光る。ただこれまでに2試合を完投し、ほかの2試合でも走者を背負った場面でマウンドに立っており、疲れが心配される。継投がポイントになりそうだ。

 攻撃は、1番の瀬戸晴空(はるく)選手(同)が打線を引っ張る。足もあり、塁に出て相手をゆさぶりたいところだ。

 未来富山は2018年の創部以来、初めての4強入り。江藤蓮投手は2年生ながら注目の左腕だ。準々決勝の新湊戦では、143キロを計測するなど速球に自信を持つ。カーブやチェンジアップなどを織り交ぜ、緩急をつけた投球で打者を翻弄(ほんろう)する。

 先発メンバーは1、2年生が中心だが、長打力のある選手がそろう。4番の内藤愛斗(まなと)選手(1年)は富山西・呉羽・伏木との試合で満塁本塁打も放っている。

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