全セ―全パ(24日・神宮球場)
自身のオールスター初安打は、全セとしては史上初、オールスターでも57年ぶり3本目となるグランドスラムとなった。全セの坂倉将吾(広島)が0―2の二回、バックスクリーンに飛び込む満塁本塁打を放った。
2死満塁で、フルカウントから高めのストレートを振り抜いた。今回は2022年に続いて、2回目の出場。通算5打数目にしての快挙だった。
記録が生まれた背景には、オールスターならではのあやもあった。直前の打席、1死満塁で度会隆輝(DeNA)が左飛を放ったが、三塁走者のサンタナ(ヤクルト)はタッチアップせず。度会は思わずサンタナを指さしたが、サンタナは笑顔でヘルメットを脱ぎ、深々と頭を下げた。実は、サンタナは足を痛めて1軍登録を抹消中。無理な走塁ができなかったからだ。
これでかえって、気合が入ったのは坂倉だった。「いったろうと思った」と臨んだ打席でアーチをかけた。ダッグアウトに戻った後には、広島の新井貴浩監督(全セ・コーチ)から「シーズンでも打ってくれ」と手厳しい祝福を受けたという。
今季のレギュラーシーズンでは打率2割3厘、4本塁打、18打点とやや苦しんでいる。だが、元々は強打こそが坂倉の最大の持ち味。球宴の活躍を契機に快音が戻れば、現在リーグ2位の広島が勢いづくのは間違いない。【岸本悠】
オールスターでの満塁本塁打
1963年 榎本喜八(全パ・大毎)
1967年 大杉勝男(全パ・東映)
2024年 坂倉将吾(全セ・広島)
※大毎は現ロッテ、東映は現日本ハム
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