○全パ16―10全セ●(24日・神宮球場)
全セの捕手を務めた広島の坂倉将吾が「もう止まらない」と白旗を揚げるほど、面白いように快音が響いた。オールスターの最多記録を大きく更新する28安打、16得点だった全パ打線の中心は、やはり球界が誇る好打者だった。ソフトバンクの近藤健介が、個人記録に並ぶ5安打の固め打ちで、スターが勢ぞろいした攻撃陣を引っ張った。
見せ場は試合前から始まっていた。恒例の本塁打競争で、チームメートの山川穂高との決勝戦に臨んだ。抜群のバットコントロールを見せ、8本をスタンドに放り込む。延長戦では、さらに5本のアーチをかけ、1本差で優勝した。
「3番・指名打者」でスタメン出場した試合でも、存分に実力を発揮した。一回にやや詰まった打球ながら二塁打で出塁すると、三回の第2打席は巨人の戸郷翔征からフェンス直撃の二塁打で好機を演出。第3、4打席も中前打を放ち、八回の右前打で猛打を締めくくった。試合後は「昨日負けたので気合が入っていた。本塁打を打ちたかった」と汗を拭った。
首位を快走するチームの先頭に立ち、6月の月間最優秀選手(MVP)にも輝いた。前半戦終了時点で打率3割2分1厘と唯一3割をマークし、本塁打数も13で山川の14に肉薄するなど、圧倒的な成績を残している。求める打撃はさらに高く、今回のオールスターで「いい打者で話をしたかった」と、DeNAのオースティンとスイング軌道などについて話をしたという。
「後半戦に向けて良い弾みになった」。優勝に向かって突き進むチームにとってこれ以上頼もしい存在はいない。【川村咲平】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。