【桐蔭学園-大分東明】後半、トライを決める桐蔭学園の選手(下)=長野県上田市のサニアパーク菅平で2024年7月24日、高野裕士撮影

第11回全国高校7人制ラグビー大会(24日、長野・サニアパーク菅平)決勝

○桐蔭学園(神奈川)14―12大分東明●

 桐蔭学園の執念が、劇的な逆転勝ちを生んだ。草薙拓海主将(3年)は「最後まで諦めず、走り続ける意識を持っていた」と胸を張った。

 0―12でリードされ、残り時間は約2分。ここでトライとゴール成功で5点差まで迫り、残り1分でのチャンスに懸けた。西野誠一朗(同)が相手2人に絡みつかれながらオフロードパスを選択し、受けた草薙主将が右サイドに空いたスペースを駆け抜けて同点トライ。直後のゴールも成功して桐蔭学園がこの試合初めてのリードを奪うと、間もなく試合終了となった。

 「最後の最後まで体を当て続けたことで、相手に隙(すき)が生まれた。チームが一つになって生んだトライ」

 大会最優秀選手に選ばれた草薙主将は、値千金の瞬間をそう振り返った。前回大会は決勝で佐賀工に敗れただけに、喜びは格別だ。

 予選リーグは東福岡に、準々決勝は佐賀工に、いずれも後半途中までリードされながら逆転勝ち。そんな経験も、劣勢に立った状況での冷静さと最大の山場での踏ん張りを生む糧となった。

 15人制では昨季の全国高校大会(花園)を制したが、今春の全国高校選抜大会は準決勝で、サニックスワールドユース交流大会は決勝で、いずれも大阪桐蔭に敗れた。草薙主将はこう決意を語った。

 「ここで全国優勝を成し遂げたのはうれしいけど、僕たちが目指しているのは花園2連覇。今回の試合のように全員が一つになり、宿敵の大阪桐蔭に勝てるように頑張りたい」【高野裕士】

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