第106回全国高校野球選手権鳥取大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)は23日、鳥取市のヤマタスポーツパーク野球場で準決勝2試合があり、第1シードの鳥取城北、第2シードの米子松蔭が決勝進出を決めた。決勝は25日午前10時から同球場である。

(23日、第106回全国高校野球選手権鳥取大会準決勝 鳥取城北7―1米子北)

 梅雨明けの強い日差しがバッターボックスに照りつけていた。

 1点を追う二回表、米子北の先頭打者の舟越慧心捕手(2年)は自信を持って打席に入った。「自分の力だけではなく、チーム全員の後押しでヒットを打てる」。迷いなくバットを振り抜き、左越え二塁打で出塁。その後、1死一、三塁となり、山田健太郎主将(3年)の適時打で同点のホームを踏んだ。

 高校に入ってから捕手を始め、昨秋から背番号2をつける。今大会は4番、捕手としてチームの中心に座り、継投が持ち味の投手陣を支えてきた。この日も3投手の計119球を受け続け、ピンチでは大声を出して仲間をもり立てた。

 九回表。球場には薄い雲が広がっていた。無死一塁でまわってきた4回目の打席は右飛に倒れた。

 チームは準々決勝で3連覇を狙った鳥取商を破り、勢いに乗って迎えた14年ぶりの準決勝。だが決勝には届かなかった。相手の校歌を聞き終え、涙をぬぐう山田主将の背中にやさしく手を添えた。

 「3年生のために一つでも多く勝ちたかった。こんな悔しい思いは、もう絶対にしたくない」。とまらない涙をタオルでぬぐいながら、雪辱を誓った。(富田祥広)

(23日、第106回全国高校野球選手権鳥取大会準決勝 米子松蔭7―0米子東)

 「お祭り男」がマウンドで躍動した。

 三回途中、6点差を付けられた時点で、米子東の3番手投手として登場したのが石倉壮助選手(3年)だ。

 陽気な性格で、自他ともに認めるチームのムードメーカー。相手を打ち取ると、全身を使ってマウンド上で大きくガッツポーズ。4回3分の1を投げて1失点。笑顔と大声、そして投球でチームを鼓舞した。

 試合終了の整列後、相手選手に歩み寄り、抱き合った。応援スタンド前では涙を流しながら頭を下げた。

 だが、球場を出ると表情は晴れやかに。「楽しく投げられました。バックにも支えられて。ベンチや応援席の声も聞こえて、楽しくて自然に笑顔が出ちゃいました」。後輩投手陣に向けては「夏のマウンドは本当に楽しい。楽しんで欲しいです!」。明るい笑顔で、球場を後にした。(奥平真也)

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 23日の始球式に登場したのは、「鹿野・青谷少年野球クラブ」の秦隆史郎さん(6年)と井伊統志(とうし)さん(同)のバッテリー。左投手の秦さんは切れのある速球を投げ、スタンドから大きな拍手を浴びた。2人とも小学校入学前から野球を始めている。野球の魅力について、秦さんは「三振をとった時は気持ち良い」、井伊さんは「サインを出して決まったときは楽しい」。(斉藤勝寿)

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