（23日、第106回全国高校野球選手権静岡大会4回戦 聖隷クリストファー5―4常葉大菊川）

　常葉大菊川が1点差を追う九回裏2死。内野フライがふわりと上がった。聖隷クリストファーの井上侑捕手（3年）は「サード」と声をあげた。

　三塁手から「OK」と返ってきた。だが、風が舞い、日差しはまぶしい。「もしもの場合はカバーする」と考えていた。

　三塁手のグラブからこぼれ落ちた球を、すばやく動いてミットに収め、勝利をつかんだ。

　「捕れていなかったら流れが変わったかもしれない」。8強を喜びつつも冷静に振り返り、次戦を見すえた。

　シーソーゲームだった。井上選手は九回表、2死三塁から勝ち越し適時打を放った。守備では袴田行紀投手（3年）から六回にマウンドを引き継いだ高部陸投手（1年）を好リード、追加点を与えなかった。（青田秀樹）

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