(23日、第106回全国高校野球選手権山梨大会決勝 日本航空7―1東海大甲府)

 日本航空はこの春、刺激を受けた交流があった。

 能登半島地震で被災し、一時的に練習拠点を山梨県内に系列の日本航空石川との練習だ。

 豊泉啓介監督は目を細めて、振り返る。

 「一緒に生活を共にして、合同練習というか、同じ場所で自主練習したり、全体練習もたまにしたりして、うちがすごく、たくさんのことを学ばせていただいた」

 選手たちが目の当たりにしたのは、日本航空石川の練習に取り組む意識の高さや、選手たちの体の大きさだったという。「選手たちはもっと食べなきゃ、もっとトレーニングしなきゃいけないと刺激をもらって、もっと強くなろうと変わっていった。勇気をもらうというか、得るものがたくさんあった。夏に向けて、良い土台作りになった」

 練習試合が解禁されると、最初に日本航空石川と組んだ。この日、先発した2年生左腕の高木秀人は変化球の制球を課題にしている。その練習試合で力を試して、つかんだものがある。「バッティングがすごく良いチームを抑えて自信になったところが、この試合、春の東海(大甲府)との試合につながった」

 チームは春季山梨大会の準々決勝で、東海大甲府と対戦。高木は先発して、継投をあおぎながら、8―6で勝った。

 その東海大甲府は今大会の準々決勝で、今春の選抜大会で8強入りした山梨学院に競り勝ち、勢いに乗っていた。

 この日、高木は7四球を与えながら、要所で球を低めに抑えて6回1失点。七回からは2年生右腕の柳沢拓輝が救援して3回を無失点に抑えた。

 チームがめざすのは守り勝つ野球。

 難敵を下し、3年ぶりの夏の甲子園出場を決めた豊泉監督は、感無量だった。

 「春の大会でも(東海大甲府と)やらせていただいて、確か14安打、打たれました。これを抑えるにはどうするのかという対策をしていて、(今日は)被安打7。非常にできすぎだと思います」=山日YBS(笠井正基)

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