(23日、第106回全国高校野球選手権奈良大会準々決勝 智弁学園5―2天理)
最後の打者を抑えると、智弁学園の選手たちは勢いよくベンチを飛び出し、喜びを爆発させた。
天理は長年のライバル。この春の県大会では2―8の大敗を喫した相手だ。2失点で完投した田近楓雅(ふうが)(3年)は、「この日にかけて、ずっと練習をやってきた」。
ポイントは、左の巧打者がそろう天理打線をどう抑えるかだった。
春の対戦で登板がなかった田近は、約1カ月前の抽選会で組み合わせが決まったときから、この日の天理戦を想定。ブルペンに左打者を立たせ、胸元を突く練習を続けた。
「左打者の内角にどれだけ真っすぐを投げ込めるかが鍵だった」と田近。安打こそ浴びたが、連打を許さない。外に逃げるスライダーも駆使しながら、最少失点で抑えた。「打者を詰まらすことができたんで、自分のピッチングができた」
ともに全国選手権に20回以上出場する伝統校。近年は奈良代表の座を激しく奪い合う。
2019年に智弁学園が優勝すると、20年の独自大会は天理が制した。21年は智弁学園、そして22年は天理……と、1年おきに王者が入れ替わっている。
前回大会の23年は、やはり智弁学園が優勝した。八回に勝利を決定づける2点三塁打を放った山崎光留(3年)は、この〝法則〟が頭にあったというが、「(法則は)意識しないようにした。小坂監督から『負けたスコアボードを目に焼き付けておけ。絶対やり返すぞ』と言われていた」と振り返る。
因縁の相手を破り、2年連続の頂点に向けて大きな弾みをつけた。=さとやく(室田賢)
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