7月26日に開幕するパリ五輪。

 かつて7人制ラグビーの選手として出場した北海道東部の幕別町出身、桑井亜乃さんが世界で初めて審判でも五輪の舞台に挑戦します。

 2016年のリオ五輪7人制ラグビーで日本女子初となるトライを決めた桑井亜乃さん(34)。

 あれから8年。

 地元・幕別町を表敬訪問した桑井さん。

 2024年5月、レフェリーとしてパリ五輪に出場することが決まりました。

 選手とレフェリーで五輪に出場するのは世界初の快挙です。

 「強く美しく立っていたいなと思いますし、みなさんに感謝の気持ちを込めてグラウンドに立ちたい」(桑井さん)

 「強く美しくたちたい」桑井さんの五輪への思いに迫ります。

 桑井さんは埼玉県・熊谷市の女子ラグビーチームアルカス熊谷で、練習や後輩の指導にあたっています。

 「選手の時と同様にドキドキしてきた。私もレフェリーとしては初めての五輪。どういう風になるのかワクワクとやるぞという気持ち」(桑井さん)

 桑井さんがレフェリーを目指したのは東京五輪の代表を逃し、引退をした2021年。

 海外留学を考えていた中、協会から示された「レフェリー」という道に興味を持ちました。

 「(レフェリーの道に)入り込んでいって、レフェリーコーチに「3年でオリンピックに行けるのか行けないのか」っていう、本当に失礼な質問だったかもしれないですけど、「不可能ではない」って言われたので、またオリンピックの舞台に立ちたいなっていうのがでてきた」(桑井さん)

 夢は3年で五輪にレフェリーとして出場。

 世界の経験を積むために、2022年、ラグビー発祥の地イギリスで武者修行を目指します。

 しかし。

 「イギリスの友達が2か月間に4大会あると教えてくれて、最初は返答はノー。『アジア人がいきなり来て最初はへたくそだったけど2か月来て少し成長して帰っていったと思えればそれでいいです』と話をして、『自費でもいいから行きたいんです』と全部書いて提出したらその時のレフェリーマネージャーがOKをだしてくれました」(桑井さん)

 イギリスではクラブチームが参加する大会で1日6試合をこなし、世界での経験を積んだ桑井さん。

 2023年には世界最高峰の国際大会にも参加。

 そして、これまでの経験と実績からパリ五輪のレフェリー男女含め23人の1人に選出されました。

 「最初はどこに走っていいかわからないし、どのタイミングで笛をふいていいかわからないレフェリーになってから覚えたルールもある。ということが最初のころはあった」(桑井さん)

 「いろいろな国内外で経験をさせてもらってひとつひとつを理解しながら成長できた気がします」(桑井さん)

 夢を実現するために、努力を惜しまない桑井さん。

 現在も現役さながらのスピードや筋力トレーニングを続けていて後輩たちの刺激にもなっています。

 「選手でも五輪に出てレフェリーとしても五輪に出る目標をかなえていて夢って絶対にかなうんだなと思います。」(桑井さん)

 夢を叶えた桑井さん。

 パリでは明確なテーマを自分の中で掲げています。

 「3年間やってきたことをグラウンドの上で表現する。強く美しくグラウンドで立っていたい。本当に自信満々な選手に負けないくらいの強さをグラウンドの上で表現したいと思います。美しさでは『あのレフェリーかっこいいな』と思って感じてもらえるように心がけています」(桑井さん)

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