大混戦を制した東京五輪の陸上男子100m決勝から3年。イタリアに初めて世界最速の称号をもたらしたラモントマルチェル・ヤコブスは、順風満帆とはほど遠い歩みでパリに向かってきた。過去2年の世界選手権はともに準決勝止まり。それでも29歳のスプリンターはAP通信の取材に「全ての試合に勝つ必要はないが、五輪はもう一度勝ちたい」と語り、特別な大会での逆襲を期す。  度重なる故障に悩まされた。昨秋に拠点変更を決断。タンブルウィードTCのレイナ・レイダー・コーチに師事し、復活の道を探った。  今季は段階を踏むかのように記録を縮め、6月には東京五輪後自己最速の9秒92をマークと、調子を上げてきた。


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