1回戦の沖縄電力戦での藤原航平監督(左)。勝利後のインタビューでは相手チームの健闘をたたえた=東京ドームで2024年7月19日、新宮巳美撮影

 東京ドームで開催中の第95回都市対抗野球大会で、勝利したチームの監督はインタビューで何を訴えたのか。毎日新聞は、22日までに行われた10試合についてAI(人工知能)で分析した。

 分析には、AIシステムなどの研究・開発を手掛ける「ユーザーローカル」(東京都)が提供する文字データ分析ソフト「テキストマイニング」を使用。19~22日にあった1回戦10試合の終了後、グラウンドで行われる勝利監督10人へのインタビューの内容を調べた。

ユーザーローカル社のソフト「テキストマイニング」を使い、勝利監督のインタビュー内容を可視化した。重要度が高いほど大きな文字になる

 監督の言葉で目立ったのは、敗れた相手チームをたたえるものだ。テキストマイニングを使って分析したところ、その言葉の重要度が高いほど文字が大きくなるイメージ図には相手チームの名前が大きく表示された。

 実際のインタビューでは、前回大会の覇者・トヨタ自動車(愛知県豊田市)の藤原航平監督が、開幕戦で戦った沖縄電力(沖縄県浦添市)について「本当に沖縄電力さん、すごくいいチーム」「しっかり粘ってくる」と語っていた。SUBARU(群馬県太田市)の冨村優希監督も、敗れたJFE西日本(広島県福山市、岡山県倉敷市)に触れて「緊迫したゲームができて感謝しております。JFE西日本さんの分まで必ず勝ち上がっていきたい」と誓っていた。

 都市対抗名物となっている応援について、自チームの応援団に感謝の言葉を述べる監督は多いが、相手チームに言及する人も少なくない。トヨタ自動車の藤原監督が「本当に沖縄電力さんの応援のみなさん、一球で盛り上がるところとかも、私たちへのプレッシャーになりました」と語ったほか、前回大会準優勝のヤマハ(浜松市)を撃破した明治安田(東京都)の岡村憲二監督が「点差が開いたなかでも、ヤマハさんの大応援団が非常にプレッシャーになった」と打ち明けた。東海理化(愛知県豊川市)を破ったENEOS(横浜市)の大久保秀昭監督も「チームも応援団も元気があって最後まで緊張したままベンチにいました」と相手への配慮を忘れなかった。

 12日間にわたる大会は22日で日程の3分の1を終えた。今後も、勝利した監督の口からどんな言葉が出てくるのか注目される。【小林慎】

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