(21日、第106回全国高校野球選手権大阪大会4回戦 上宮7―2関西創価)

 関西創価のスコアラー・龍俊翼(しゅんすけ)マネジャー(3年)は、チームの体作りを担い、底上げを果たした「陰の立役者」だ。

 入部当初は178センチで60キロ。筋力アップのため、自ら編み出した体幹トレーニングを繰り返し、1日7合半の白米を食べた。

 3年になると、83キロに。春に初めて投手としてベンチ入りを果たした。

 だが5月、「イップス」になった。思った通りに投げられず、制球が定まらなくなる症状だ。

 絶望した。このままだとチームの力になれない。

 マネジャー兼トレーニングコーチになることを小野哲平監督に志願した。「人はそれぞれ輝ける場所があって、それはグラウンドだけじゃない。自分の強みを生かせる場を見つけよう」と背中を押された。

 増量経験を生かし、トレーニングを指導。選手それぞれと目標体重を決め、寮でしゃもじを握り白米をよそった。

 この夏はベンチで仲間の活躍を見守った。「最後の1球までみんなの目は輝いていた。かっこいい姿を見せてくれてありがとう」と真っ赤な目で話した。

 卒業まで、トレーニングコーチとして後輩を引っ張っていく。次の1勝につなげてもらうために。(西晃奈)

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