(21日、第106回全国高校野球選手権大阪大会4回戦 大商大堺6―1大体大浪商) 

 5点差で迎えた九回裏。大体大浪商は連打で一、三塁の好機をつくった。

 このとき、勢いで三塁を回ろうとした走者を、三塁コーチャーの奥野諦河(たいが)主将(3年)は両手を上げて制止。一方で拳を突き上げて連打を喜んだ。

 昨年秋の練習中、右ひざの靱帯(じんたい)を断裂。大けがで、試合の出場が難しくなった。

 それでも松田博志部長からは「主将をやってもらえないか」と頼まれた。「部員全員に平等に接して、言うことを言ってくれる。そして優しさもある」からだ。

 今大会の背番号は4。試合には出ず、サポートに徹した。

 九回、得点は奪えず終了。悔しさが残った。「もう一度野球をやってみたい」と治療とリハビリに取り組み、次は大学で野球に臨むつもりだ。(村井隼人)

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