(21日、全国高校野球選手権広島大会4回戦 尾道6―2近大福山)

 「あれじゃ盗塁は無理だよ」と、対戦した尾道の監督をうならせる牽制(けんせい)術だった。

 近大福山の赤田有投手(3年)は二回、先頭打者に安打を許す。次の打者を迎えると、すかさず一塁に牽制し、走者を刺した。

 走者にさとられることなく牽制する技術は、ソフトバンク・前田悠伍投手の動画を見て、研究を重ねた。これまでの2試合で盗塁9の尾道に対し、しつこい牽制球で隙を与えず、一度も盗塁を許さなかった。

 試合は序盤に3点を失い、七回にも追加点を許して、この回で降板した。最後の打者となった九回、内野ゴロに終わると、グラウンドに両手をついたまま立ち上がれなかった。

 「夏が終わったな、と思いました。悔しいけど、今までの経験が一番の宝物になりました」(遠藤花)

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