第95回都市対抗野球大会1回戦（21日・東京ドーム）
○太田市・SUBARU4―3福山市・倉敷市・JFE西日本●
JFE西日本が反撃の糸口をつかんだのは、苦労人の一打からだった。
四回2死から4番の綿屋樹が右前へチーム初安打を放って出塁すると、打席に立ったのは7年目の古田塁。「追い込まれていたので食らいつくしかなかった」と外角高めに浮いたチェンジアップを捉え、右中間への適時二塁打とした。
それまで8三振と元気のなかった打線はこれを契機に勢いを取り戻し、この回2点、五回に1点を返し、1点差に詰め寄った。
古田は東洋大から入社し、都市対抗出場は今回で4回目。3度目の東京ドームだった昨年、通算6試合目でようやく大会初ヒットを放った苦労人だ。
「ボール球を見逃せたとか、バットの芯に球を当てられたとか、ささいなきっかけから次は打てるように探ってきた」。安打が点には結びつかなかった昨年とは一転、打点つきの活躍となったこの日の仕事に「若手にも伝えたい経験ができた」とうなずいた。
それでも「ここで勝つために1年やってきたのに、及ばなかった」と試合後は涙ながらに語った。次こそは勝利をつかむため、この悔しさも糧にする。【吉川雄飛】
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