(20日、高校野球静岡大会3回戦 知徳12-5浜松学院)

 今大会注目の知徳・小船翼投手(3年)を攻略し、4点差をつけて浜松学院に勝利が傾いていた八回。試合の流れが一気に変わった。

 浜松学院の左腕・成田旬投手(3年)は、スライダーが要所で決まり、7回まで6安打を打たれながら1点に抑えていた。先発のうち7人が左打者の知徳打線に対し、「自分が有利だ」と強気に攻めた。しかし5回に人さし指の皮がめくれ、調子が狂い始めていた。山本大暉捕手(3年)は、球数が増えて球が高めに浮き始めていたのを感じていた。八回に失策をきっかけに一、三塁とされると、長短打4本続けて打たれ、成田投手はマウンドを降りた。

 浜松学院は小船投手から4安打ながら効率的に3点を奪い、交代した原田勇磨投手(3年)から七回裏にも2点をあげた。「勝てる試合だった。ダメージは大きい」と山本捕手。「失策や四球から崩れないようにするのが課題だった」という成田投手は「あっという間で、流れを止められなかった。止めきれなかったのは力不足」と悔やんだ。大学に進学し、野球を続けるつもりだ。「試合に勝たせられる投手になる」のが目標と話した。(田中美保)

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