(19日、第106回全国高校野球選手権宮城大会準々決勝、古川学園1―0東北学院榴ケ岡)
「絶対やってくる」
七回1死三塁。打者がバントの構えをする前に、東北学院榴ケ岡の三塁手、川脇優有(ゆう)選手(3年)は、古川学園の初球スクイズを読んでいた。
三塁方向に転がった打球を素早くキャッチャーにグラブトスしタッチアウト。古川学園の追加点を阻止した。
古川学園は、秋も春も対戦し、1点を争った因縁の相手。昨秋の地区大会予選では2―3で敗退。今春の宮城大会では1―0で競り勝った。
だから、「古川学園には絶対負けない」という気持ちのもと、1点の重みをチーム全員で自覚して、練習を積んできた。
走者は必ず進塁させ、少ないチャンスをつかむ。自分たちはバントを確実に決めるけれど、相手には決めさせない――。そんな「1点を確実に取り、1点も与えない」意識で取り組んできたグラブトスの練習が、スクイズ阻止につながった。
だが、打線が続かず、1点差に泣いた。「あと一歩手前で負けて本当に悔しいけれど、仲間とここまで勝ち上がれてよかった」。涙をこらえて話した。(岸めぐみ)
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