(19日、全国高校野球選手権広島大会3回戦 尾道10―1並木学院・忠海・加計)

 「スタンドをみろ。こんなに助けてくれる人がいるんだから、大丈夫だ」

 忠海の平本和真捕手(3年)はマウンドに駆け寄ると、崎山颯斗投手(同)に声をかけた。初回、先頭打者に死球を与えると、安打などで1死一、三塁のピンチを招いた。

 だが、その後も四球と適時二塁打で2点を先制され、2死目をとった後に降板した。

 選手10人の3校連合チームで、忠海の選手は2人だけ。互いに負けず嫌いで、鼓舞しながら3年間続けてきた。学校生活も常に一緒。学校帰りの最寄り駅までの何げない会話は、2人の大切な思い出だ。

 「平本のおかげで、ここまでこられました」と崎山投手が言うと、平本捕手は「俺もです。ありがとう」と照れくさそうに返した。この夏の2戦目で、初めてバッテリーを組んだ2人は「思い残すことはない」と笑顔で振り返った。(遠藤花)

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