宇良(左)を寄り切りで降し、土俵下へ落ちる貴景勝=名古屋市中区のドルフィンズアリーナで2024年7月18日、兵藤公治撮影

大相撲名古屋場所5日目(18日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

○貴景勝(寄り切り)宇良●

 カド番大関の貴景勝が連敗を止め、2勝目を挙げた。序盤戦を黒星先行で終えたが、前へ出る自らの相撲を取り戻しつつある。

 立ち合いで押し込まれる場面もあったが、簡単に引かない。こらえて2本が入ると一気に走った。土俵際での逆転技もある宇良だが、かまわず出ると、相手の足が俵を割った。

 首のけがで先場所は2日目から休場し、カド番で迎えた今場所は初日を落とした。さらに3日目からは連敗。ただ前日の黒星は、小兵で動きがあり、うるさい翔猿を土俵際まで追い込みはした。それだけに師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)は「昨日みたいに前へ出る相撲を取れれば(流れを)取り戻せる。もっと激しい相撲が出てくれば。精神力の強さを発揮してほしい」と前向きに話していた。

 そして、くせ者の宇良にも迷いのない攻めを見せた貴景勝。この日の支度部屋では「その日その日に準備してやるだけ。勝ちにつながる準備をしていく」と表情は厳しい。ただ、幕内優勝4回の実績はある。真骨頂の前へ出る攻めで場所の流れをつかめれば、苦境脱出の光明は見えてくる。【荻野公一】

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