【シリーズ　パリに挑む！】体操競技　杉野正尭選手

７月２６日開幕のパリオリンピックに出場する県関係選手を紹介するシリーズ、「パリに挑む！」です。

今回は鹿児島県の鹿屋体育大学出身、体操競技の杉野正尭選手です。初の大舞台で“金メダル”を誓います。

体操競技・杉野正尭選手
「悪い意味ではなくて、パリオリンピックに出るのがゴールじゃない。金メダルを取るっていうところが僕の目標でゴール。今はやっとスタートラインに立てた」

鹿屋体育大学出身、現在は徳洲会体操クラブでキャプテンを務める杉野正尭選手、２５歳です。

杉野選手は２０２４年５月に行われたパリオリンピック日本代表最終選考の大会で、
得意の「あん馬」と「鉄棒」で高得点を出し、男子団体の一員として初のオリンピック代表に選ばれました。

東京オリンピックのときは補欠、コロナの影響で会場にすら入れなかったあの悔しさから３年。

ついに、オリンピックをつかみました。

杉野正尭選手
「世界一過酷な代表争いの代表選考会でしたが、それを勝ち抜いた選手は一人一人のレベルの高さ、体操に対する向き合い方も一人一人代表選手が持ってるので、代表活動ではそこの空間にいること自体が、僕自身、毎日学べている」

杉野選手の魅力はなんといっても、見応えのある“難しい技”です。

最も落下する種目と言われる「あん馬」。

杉野選手はパリをかけた最後の舞台でも世界で数人しかチャレンジしない、片手旋回からお腹を下向きに１０８０度回る大技＝Ｈコンバインを見事、成功させました。

オリンピック代表内定から約１ヵ月後の先月。

杉野選手の練習場を訪れました。

この日は、実際にパリオリンピックで使われる器具を使い、入念に感触を確かめていました。

杉野正尭選手
「あん馬だったら、今回、パリ五輪で使う器具は、今、日本で使ってる器具より、本当に平ら。丸みがあるっていうより、平らな上で旋回を回さないといけない。そういったところに対応しないといけない」

面が平らになったことで、旋回中に足先が当たりやすくなり、落下のリスクも高まりました。

そこへの対応力も試されるのが、オリンピックです。

杉野選手を指導するのは、２００４年のアテネオリンピックで男子団体で金メダルを獲得した、米田功監督です。

杉野選手への期待をこう話します。

徳洲会体操クラブ・米田功監督
「各国、あん馬は落下が出てくるので、そこで杉野が１５点を超えてくるとチームに勢いをつける。おそらく鉄棒はメダルの色をかけたところで登場してくると思う。持ち前の気持ちの強さが最後、必要になってくる」

杉野正尭選手
「絶対に１５点を超える演技は目指していかないといけないという思いは強い」

そんな杉野選手。

大学生活４年間を過ごした鹿児島について、こんな思いを聞かせてくれました。

杉野正尭選手
「“夢”を“目標”にしてくれた場所。小さい頃からオリンピックは夢で、キラキラしてる場所、憧れる場所というのはもちろんありましたけど、それが大学生になって本当に目標に変わった。つかみ取るために何をしたらいいんだろう、自分はどこを磨けばいいんだろう、というところを作ってくれた４年間。僕は鹿屋がすごく大好きですし、鹿児島が大好き」

そのかけがえのない場所では、今、杉野選手を目標に後輩たちが練習に励んでいます。

そんな後輩から杉野選手にメッセージです。

鹿屋体育大学・布袋屋博和選手（４年）
「杉野選手は熱い男なんですけど、冷静さも持ち合わせていると見ていて感じます。かっこいいっすね」

鹿屋体育大学・田邊友唯選手
「（パリ五輪に）決まったとき、は図々しいんですけど、泣きそうになりました」

２人
「正尭さん、金メダル待ってます！ファイト！」

杉野正尭選手
「うれしいですね」

井上彩香キャスター
「かわいい後輩が金メダル待ってます、って」

杉野正尭選手
「待ってて下さい！」

最後に、“パリへの誓い”を書いてもらいました。

初の大舞台で描くのはー

杉野正尭選手
「団体、あん馬、鉄棒で金メダル獲得！感動を届ける！」

井上彩香キャスター
「日頃からそういうイメージを？」