葛飾区剣道連盟の伊垣誠会長=東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで2024年7月16日、曽根田和久撮影

 小中学生の剣士たちが団体戦で技を競う「第1回葛飾区長杯争奪全国選抜少年少女剣道大会」(毎日新聞社など後援、富山常備薬特別協賛)は8月4日、東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで開催される。大会を主催する葛飾区剣道連盟は、伊垣誠会長(68)=上平井剣友会名誉会長・教士七段=を中心に、2年以上の準備期間を経て開催にこぎつけた。伊垣会長は「出場する選手たちには『縦、横、斜め』の縁を結んでほしい」と大会に込めた思いを語る。

練習試合で激しい攻防を繰り広げる葛飾区選抜の選手。ゼッケンには「葛飾」の文字があしらわれている=東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで2024年7月15日、鈴木俊撮影

 大会は、首都圏を中心に、北は岩手から南は沖縄まで全国各地の計100チームが参加。さまざまな全国大会で優勝経験がある道場がいくつも名を連ねており、東京からは各地の剣道連盟単位の選抜チームも参加する。チームは小学生4人と中学生3人の7人編成で、チームワークも勝敗のカギを握る。

 伊垣会長によると、大会開催のきっかけは、連盟内で「地元で全国規模の大会を開きたい」という声が上がったことだった。葛飾区は人気サッカー漫画「キャプテン翼」の作者、高橋陽一さんの出身地で、作品にちなんだ少年サッカーの全国大会が開かれていることも頭にあったという。区内のさまざまなスポーツ団体の協力を得て、会場を確保。各地の道場に参加を募り、大会の準備を整えた。

葛飾区長杯を初開催する葛飾区剣道連盟の伊垣誠会長。「地域を越えた『縦、横、斜め』の縁を作ってほしい」と大会に込めた思いを語る=東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで2024年7月16日、曽根田和久撮影

 葛飾区からは今大会に七つの選抜チームが出場し、各地の強豪を迎え撃つ。伊垣会長は「葛飾の中だけで『井の中のかわず』になってはいけない。全国レベルの剣道を知り、『もっと頑張ろう』と思ってほしい」と地元の子供たちの奮闘に期待する。また、剣道の魅力は「同級生との『横』のつながりだけでなく、指導者や先輩・後輩との『縦』のつながりが育まれること」と勝敗だけではないことを強調。「遠方の県同士が対戦することもあるだろう。出場チーム同士が地域の枠を越えた『斜め』の縁も作ってほしい」と全国大会ならではの醍醐味(だいごみ)に期待した。【曽根田和久】

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