第106回全国高校野球選手権山梨大会(朝日新聞社、山梨県高校野球連盟主催)は15、16両日、山日YBS球場で2回戦計4試合があり、シード校の吉田が敗れた。16日第2試合の帝京三―韮崎工は降雨のため七回裏を終了して継続試合となり、17日午後2時に再開される。山梨大会での継続試合は初めて。
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(15日、第106回全国高校野球選手権山梨大会2回戦 日大明誠7―0巨摩)
7点を追う七回裏無死一塁。巨摩の有野友哉主将は、狙っていた内角の直球をフルスイングした。左前への二塁打となり、無死二、三塁にチャンスを広げた。
相手は第2シードの日大明誠。この回に得点しないとコールド負けとなる場面だ。エースとして先発していた有野主将は打席に立つ前も、ベンチで「もう1回投げさせてくれ」とチームメートを鼓舞していた。
攻守でチームの中心的存在だ。七回コールド勝ちした初戦の富士北稜戦でも先発で登板し、最後まで99球を投げきった。
「緊張して立ち上がりが不安定なのが、僕の課題」。日大明誠戦は一回に2死満塁から走者一掃の二塁打を浴びて3失点。二回は打者8人の攻撃で2点を奪われたが、2死満塁を内野ゴロで切り抜けた。
「尻上がりに良くなる」という小堀辰朗監督の言葉通り、六回に追加点を許しはしたが、三回以降は立ち直りを見せた。
七回裏に自身が二塁打を放った直後、三塁走者が三塁ゴロの間に本塁を突いたが、クロスプレーでタッチアウト。最後は内野ゴロからの併殺でコールド負けした。だが、チームは最後まで1点をもぎとろうと奮闘した。
134球を投げ、「もう1回」はかなわなかったが、最後の二塁打は有野主将にとって今大会での初安打だった。「完璧な手応え。高校野球をやってきて、一番いい当たりだった」。この一打で「やり切った感」が持てた。
試合後、表情はさわやかだった。「1、2年生にはいい選手がいる。来年はきっと、もっといいチームを作ってくれる」。後輩たちに思いを託した。(豊平森)
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