（16日、第106回全国高校野球選手権佐賀大会3回戦 佐賀北3―6伊万里）

　緊迫した展開が続いた試合中盤、佐賀北の守備の歯車が狂った。

　六回、外野に飛んだ打球を捕りきれず、安打で出塁を許す。連続死球に続き、次打者から三振を奪ったものの暴投、振り逃げとなって失点。さらに四球や安打で突き放された。主将で捕手の久保聡汰選手（3年）は「（捕球できなかった）自分のミス」と悔やんだ。

　佐賀北は2年連続の第1シードだ。初戦で敗れた昨年の悔しさを忘れず、練習を重ねてきた。

　ただし、久保選手は腰と肩を痛めており、初戦の厳木戦は欠場。この日の伊万里戦も、体調は万全からはほど遠かった。それでも「今日は監督が何と言おうと、途中から出場するつもりだった」という本人の思いと、「主将の力で勝負をかけたかった」という本村祥次監督の思いが重なり、五回から途中出場した。

　その起用に、バットで応えた。八回は先頭打者として二塁打を放ち、3点目のホームを踏んだ。九回も2死から安打で出塁するなど、主将として最後まで粘りをみせた。

　試合は序盤の好機をいかせなかったことも響き、3回戦敗退となった。

　「みんなに申し訳なくて……」。久保選手は試合後も、なかなか球場の外に出てくることができなかった。

　その思いは、来年に託す。「昨年の悔しさを晴らせなかったが、後輩たちには甲子園に行ってほしい」（小陳勇一）

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