智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 (16日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 智弁和歌山7―0笠田)

 高校野球のセオリーを無視したらなかなか得点できないことを改めて感じさせられた試合でした。智弁和歌山は二回に1死満塁で投手が打席に立ちました。野手であれば強攻策もありますが、ここはスクイズで先取点を取ることも考えられた場面。しかし、セカンドゴロ併殺で好機を逃しました。

 笠田は四回に無死二塁の好機を作りました。ここでのセオリーは送りバントなどで走者を三塁に進めることですが、セカンドライナーで二塁走者が戻れず併殺。その次の打者が大きなライトフライを打っているだけに惜しまれます。

 智弁和歌山は四回に先頭打者の奥雄大選手(2年)のホームランで先制し、1年生の松本虎太郎選手のホームランなどで得点を重ねました。ただ、二回の好機に得点していればもっと早く大量点が入っていたかもしれません。七回には2死満塁から途中出場の井口恒星選手(3年)が左翼への大きな当たりでコールド勝ちを収めました。井口選手は守備もバッティングも良い選手と聞いています。選手層の厚さを感じます。

 敗れはしましたが笠田は積極的な攻撃で、速い球に対応していました。良い当たりもみられ、練習の成果がしっかり出ていたと思います。(智弁和歌山・前監督)

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