(15日、第106回全国高校野球選手権宮城大会3回戦 仙台育英2―0東北)

 身長193センチ。セットポジションから、左足を頭の高さ近くまでぐっと引き上げ、ためた力を爆発させる。仙台育英のエース右腕山口廉王(れお)の投球フォームは、佐々木朗希(ロッテ)のようだ。

 「やっとこの舞台に立てた」

 夏の公式戦のマウンドは入学以来初めて。それも、県内最大のライバル東北との大一番だ。喜びをかみしめるように、序盤からエンジン全開でいった。

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 先頭打者をこの日最速の148キロで見逃し三振。四回、失策と四球で2死満塁のピンチを招いた。ここで信じたのはやはり、「自分の一番の球」。カウント2―2から高めの直球を振らせ、三振で切り抜けた。8回と3分の2を6安打無失点。接戦をものにした。

 バックネット裏では複数球団のスカウトが視察していた。「(ポテンシャルは)まだまだこんなもんじゃないですよ」と須江航監督は話した。

 豪快なフォームは中学のころから。佐々木を意識したわけではなく、「大きな体を使うことを考えていたら、あそこにたどり着いた」。

 入学直後に右ひじを手術し、1年冬までは投げることもできなかった。チームは2年連続で全国選手権の決勝に進出し、同学年投手の武藤陽世と佐々木広太郎が甲子園デビューを果たした。それでも、焦ることなく速球を磨き、春に続いて夏も背番号1をつかんだ。

 「色んな人の気持ちがこもった背番号。この番号をもらった分には、結果で示したい」=石巻市民(大宮慎次朗)

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