(第106回全国高校野球選手権京都大会2回戦 桂9―1日吉ケ丘)

 日吉ケ丘のエース・畔田(あぜた)丈さん(3年)は、最後までひるまなかった。懸命に腕を振り、得意の直球を投げ込んだ。

 この試合には、遊撃手として先発出場。先発投手の柴田亘さん(同)の後を受け、二回途中からマウンドに上がった。

 投手を本格的に任されるようになったのは、この春から。1年生から遊撃手として試合に出ていたが、昨夏にひじを故障した。体づくりに取り組むと、投げる球に力強さが出て、マウンドを任されるようになった。

 桂の各打者の振りは、予想以上に鋭かった。三回、四回をゼロに抑えたが、苦しい場面が続く。

 支えになったのは、野手やベンチから届く声だった。「お前が打たれたら、仕方がない」「思い切っていけ」。背中を押され、打者に向かった。

 打たれて負けたことはもちろん、悔しい。でも、打たれても言葉をかけてくれる仲間がいる。そのことが、とてもうれしかった。「いい仲間と3年間、野球ができて、よかった」(八百板一平)

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