(12日、全国高校野球選手権千葉大会2回戦、佐倉2―5千葉学芸)
雨が降りしきるグラウンドで、佐倉の遊撃手・神谷光(3年)の献身的な姿は際立っていた。
雨と泥で汚れたボールは、内ももに挟んで念入りに土を落として投手に渡す。苦しい場面でも明るい笑顔を絶やさず投手に声をかける。
細やかな気遣いは、先発した杉林泰尚(1年)を支えるためだ。「初めての夏で絶対に緊張してるから、『ひとりにさせない。自分たちがついてるぞ』と伝えたかった」
守備でももり立てた。一回裏無死一、二塁のピンチでは、二塁手・田中佑(3年)との鮮やかな連係で併殺を奪った。二回裏2死二塁では、三遊間に転がる弱いゴロを素早くさばき、相手の流れを断ち切った。奥村武広監督も「フラフラした立ち上がりを先輩たちが支えてくれた」と話した。
六回の攻撃では、1死二塁でしぶとく進塁打を打ち、その後の得点に貢献。九回には先頭打者として左前安打を放ち、あきらめない姿も見せた。
チームの支柱として力を出し切った。一方で、試合後にこみ上げてきたのは、後輩たちに支えられたという思いだ。「後輩には助けられた。(1、2年生は)実力があるし、人数もそろっている。来年は私学を倒してほしい」=船橋(若井琢水)
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